ジュリアス・チャン パプア・ニューギニア首相兼外務貿易大臣との昼食懇談会/2月5日

太平洋島嶼国の繁栄と発展は、APEC諸国との経済交流に依存している


2月5日、来日中のジュリアス・チャン パプア・ニューギニア首相兼外務貿易大臣一行を迎えて昼食懇談会を開催した(座長:立石アジア委員会委員長代行)。パプア・ニューギニアは、太平洋島嶼国では唯一のAPECメンバー(1993年11月に加盟)であるが、同首相は「太平洋島嶼国の繁栄と発展は、日本を含むAPEC諸国・地域の市場や援助機関に大きく依存している」と述べて、APEC地域との経済交流の活発化に意欲を示した。また同首相は、昼食懇談会に先立ち豊田会長、末松副会長と懇談した。

  1. チャン首相スピーチ(要旨)
  2. ジュリアス・チャン首相

    1. わが国は「ルック・ノース、ワーク・パシフィック(北を見習い、太平洋を活用せよ)」をスローガンに掲げ、アジア太平洋地域諸国との関係を緊密化することで経済発展を模索している。

    2. 日本はわが国にとって第2位の貿易相手国であり、第2位の援助国、投資国でもある。日本のODAには感謝している。しかし、わが国の発展は民間の活動に負うところが大きい。日本企業にはわが国での事業にぜひ参画していただきたい。林業・漁業関連の企業の進出を特に希望する。このほかに農産物や鉱山、石油、液化天然ガス、インフラ施設の建設、輸送、ホテル業などもわが国では有望な事業である。

    3. 私が昨年8月に首相に就任した時、パプア・ニューギニア経済は独立以来最も困難な時期にあった。そこで、通貨キナの切下げと変動相場制への移行を断行し、政府歳出の抑制や規制の撤廃、政府機構の大幅改革等を行った。また、APECのメンバーとして2020年までに貿易・投資の自由化を実現すべく、関税の引下げや外資規制の緩和、国有企業の民営化等の措置を講じた。

    4. わが国は、太平洋島嶼国で唯一のAPECメンバーとしてその責任を全うする一方、近隣島嶼国の利益が損なわれることのないよう努めている。われわれは太平洋島嶼国の持続的発展に資するため、ポートモレスビーにAPECセンターを設立することを提案したい。太平洋島嶼国の発展は、APEC諸国との貿易やこれら諸国からの援助、投資に大きく依存している。今後、APEC地域と太平洋島嶼国との関係をますます強めていきたい。

  3. 意見交換
  4. 経団連側:
    現在原木に対して適用されている輸出税は、外資系企業の健全経営を脅かすものである。善処方をお願いしたい。
    チャン首相:
    日本側の懸念はもっともであるが、輸出税の導入は経済建て直しのためやむを得ずとった措置であったということを理解してほしい。


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