なびげーたー

地道に続けよう国際文化交流

社会貢献部長 安斎 洋一


次の時代を担う若い世代への奨学金の支給、教育者と高校生の日本招聘、日本研究への支援等を通じたASEAN諸国との交流事業が着実に根づきつつある。

国際文化交流委員会(高丘季昭委員長)では、タイ、シンガポール、マレイシア、インドネシア、フィリピンの5カ国の日本人商工会議所の文化交流・広報担当役員と事務局長に在外委員を委嘱し、1990年以来毎年1回、5カ国持ち回りで、在外委員会議を開催し、経団連が各商工会議所と協力して進めている文化交流事業を中心に意見・情報交換を行なっている。

第7回在外委員会議は2月12日にシンガポールで開かれ、各国から2名ずつ、計10名の在外委員が出席した。経団連から日枝久委員長代行、高橋平企画部会長等が出席して、国際文化交流委員会の活動状況を報告し、在外委員からは経団連と協力して進めている文化交流事業の現状と問題点、地元で取り組んでいる社会貢献事業などについて説明があった。

タイについては1990年以来、東北部の中学・高校生に経団連スカラシップを支給し大変感謝されているが(協力企業30社)、このスカラシップの期限の切れる2000年以降も奨学金の支給を続けていこうと、バンコク日本人商工会議所では、昨年から「21世紀教育基金」募金を始めており、心強く感じた。

1990年から10年計画で実施中のインドネシア教師20名の日本招聘(協力企業16社)については、数年前からジャカルタ・ジャパン・クラブが日本側の要請に応えて、先生方に英語の事前研修を実施し、これによって日本滞在中のコミュニケーションが良くなってきている。

フィリピンについては、昨年の5月に5年計画で高校教師の日本招聘事業を開始したが(協力企業15社)、全国から派遣教師を選ぶので、行政区分に合わせて招聘人数を10名から15名位まで増やし、相互理解の促進に努めたいと、フィリピン日本人商工会議所は意欲的である。

1992年から10年間の継続事業として、シンガポールのラッフルズ・ジュニア・カレッジで日本語を選択している高校生約20名に奨学金を支給し、1年生約10名を日本に招聘しているが(協力企業20社)、1期生、2期生の中から日本の大学に留学する学生が出てきている。

マレイシアの戦略国際問題研究所の中に1991年に出来た日本研究センターへの支援は2期目に入り(協力企業44社)、新しいプログラムも始まっているが、双方向の交流を促進する観点から、日本人のマレイシアに対する理解を高める活動を増やすように要望している。

いずれの事業も国際文化交流委員会のメンバー企業の協力によって成り立っており、ここ数年の不況にもかかわらず、このように息の長い交流活動に貢献いただいていることに改めて心より感謝申し上げたい。


日本語のホームページへ