国際協力プロジェクト推進協議会(委員長 春名和雄氏)/2月22日

JAIDO推進案件を認定


国際協力プロジェクト推進協議会では、2月22日に第12回認定委員会を開催し、日本国際協力機構(JAIDO)が出資する事業6案件について審議・認定するとともに、引き続き理事会を開催し、JAIDOが調整的役割を果たす国際協力型プロジェクト4案件に対する案件形成助成費(総額2,500万円)充当について承認した。

春名委員長
春名委員長

  1. 出資案件概要
    1. サウジアラビア:プラスチックメタライゼーション事業
    2. 1989年の日本・サウジアラビア合同委員会にてサウジアラビア側より非エネルギー関連分野に対する日本の直接投資推進に関して強い要望があった。
      これを受け、日本政府からJAIDOにプロジェクト促進の要請があり、調査の結果、プラスチック製ライトスクリーンのアルミ・コーティング事業を行うこととなった。当事業は、日本の数少ないサウジアラビアへの民間投資を実現するとともに、日本の先端技術の移転と同国の非石油産業育成政策に貢献することとなる。

    3. ポーランド:電力半導体製造販売事業
    4. ポーランドで唯一の電力半導体メーカーラミナ社は、同国の市場経済化、西欧マーケットへの参入にあたり、民営化の促進、生産プロセスの近代化、新技術の導入、製品レンジの拡大等を図る必要があった。当事業は、同社に技術及び資本参加などの面で総合的に協力し、電力半導体の製造・販売を行うものである。
      電力半導体の先端技術および設備の導入により輸出型製造業の育成につながることから、同事業は、ポーランド政府が推進している民営化事業のなかで最もプライオリティーの高いものと位置づけられている。

    5. ベトナム:ビジネス・コート事業
    6. 市場開放政策をとるベトナムでは、日本を始め先進諸国の企業進出の増加に伴い、外国人技術者等が長期滞在する居住施設が著しく不足している。本事業は、ホーチミン市内に外国人投資家向けの居住およびビジネス環境を整備することにより、ベトナムの外貨導入の促進を図るものである。

    7. ルーマニア:通信用ケーブル製造事業
    8. ルーマニアは、現在の電話普及台数約280万回線を2005年までに800万回線に拡張する方針をたて、電子交換機製造会社2社を設立、欧州復興開発銀行(EBRD)の資金導入により全国光幹線ネットワークと支線の銅ケーブル拡充を図っている。また、現在、全量輸入に頼っている支線の銅ケーブルを先進技術の導入により自国生産にシフトさせ、将来的には、欧州へ輸出することも目指している。
      本事業は、日・仏民間企業と・ルーマニア国営企業2社によるジョイント・ベンチャーを設立し、支線用ケーブルを製造する国際協力案件である。仏は欧州での販売ノウハウ提供、日本は技術提供を行なっていく。

    9. ウズベキスタン:絹紡糸製造事業
    10. 絹産業の盛んなウズベキスタンは、生糸絹織物を輸出品のひとつとしており、同国の軽工業省は、生糸製造過程で発生する大量の屑を再処理して絹紡糸を生産するための技術開発および製品の対日市場へのアクセスに関する協力をかねてから日本側に強く要請していた。
      本事業は、日本側の絹紡糸メーカーと民営化を進めている国営企業がジョイント・ベンチャーを設立し、年産120tの絹紡糸を生産、日本向けに輸出するもので、ウズベキスタンの外貨獲得に資する。
      また、同国の市場経済化、民営化政策の先導的プロジェクトとなるため、EBRDが中小企業育成プログラムを通じて本事業を支援することに同意している。

    11. ジーシーシー産業投資株式会社設立
    12. GCC(湾岸協力会議)諸国は、石油価格低迷による国家財政の逼迫、若年層急増による失業率の増加等の問題に直面し、脱石油産業の育成に力を入れている。
      一方、石油輸入量の約8割を依存し、エネルギー政策上最も重要な同地域に対するわが国の産業投資は、欧米諸国に比べ進展していない。
      このような背景から、94年4月の平岩経団連会長(当時)訪問ならびに95年9月の村山首相訪問時において、ファハド国王(サウジアラビア)をはじめとする要人より、わが国の対GCC投資促進および技術移転に関して要請があった。
      また、94年11月に来日したGCC諸国5閣僚からは、日本政府・経済界に対して「直接投資支援ファンド設立」の要請があった。
      GCC産業投資株式会社は、これらの要請を受け本年2月に設立されたものであり、日本企業の非石油化学分野の直接投資の促進を主要事業とする。

  2. 国際協力型プロジェクト案件形成助成費充当案件
  3. 本年度の国際協力型プロジェクト案件形成助成費は、以下の4案件に充当されることとなった。
    1. サウジアラビア銅精錬プロジェクト
    2. アブダビ・アロマ・プロジェクト
    3. マレー半島横断原油パイプライン・プロジェクト
    4. コロンビア石油精製プロジェクト


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