駐欧州・旧ソ連各国大使との昼食懇談会 (司会 樋口副会長)/2月16日

対話の促進により進む日欧のパートナーシップ


外務省主催の大使会議のため、一時帰国中の駐欧州、旧ソ連地域各国の大使35人を招き、昼食懇談会を催した。樋口副会長、浦部欧亜局長の挨拶に続き$4大使より欧州情勢に関する説明があり、経済界に対し産業協力と対話の促進に大きな期待が寄せられた。

  1. 松浦駐フランス大使説明
  2. 欧州統合は、市場統合から、通貨統合の段階にいたって、
    1. マーストリヒト条約の経済収斂基準達成可能性の不透明化、
    2. 共通通貨を早期に導入できる国とできない国との間で起こる欧州の二分化、
    3. 労働問題(高い失業率)、
    4. 脅威が多元化した安全保障、
    5. 肥大化するロシア支援
    等の諸問題から、曲がり角にさしかかっていると言える。
    現在、局面の打開も含め、欧州と、成長の著しいアジアとの関係が模索されている。その意味で、本年3月に開催されるアジア欧州会合(ASEM)は欧亜関係にとって重要なポイントとなる。

  3. 時野谷駐EC代表部大使説明
  4. 対日貿易赤字の縮小、規制緩和に関する対話の促進、日欧産業協力の促進等、欧州の対日アプローチは確実に成果をあげており、対日姿勢も、“パートナー”としての捉え方に変化してきた。今後も、貿易・投資のインバランスの動向を注視しつつ、産業協力、対話の促進、さらに、日米関係の裏返しとしての日欧関係を適正にマネジメントすることが、良好な日欧関係を発展させるポイントである。経済界にも、対話と理解の促進が求められる。

  5. 高橋駐OECD代表部大使説明
  6. OECDでは、97年の閣僚議会での報告を目標に、規制変革の研究に取り組んでいる。しかし、これは政府活動だけで達成できる問題ではなく、経済界からのBIAC、ミッション、更にOECD幹部との意見交換などを通じた積極的なサポートをお願いしたい。

  7. 渡邊駐ロシア大使説明
  8. 4年間のロシア在任中、ソ連の崩壊、民主主義、市場経済への移行など、大きな変革を目の当たりにした。ロシアは、こうした変革を日本やドイツと違い、敗戦という過去の清算を伴なわずに断行している。その意味で、96年の大統領選挙は、変革の意義を問う重要なものになるだろう。
    しかし、いずれにしてもロシアは日本の隣国であり、両国関係を良好化することが、東アジアにおける諸問題を検討する上でも有効となりうると考える。


日本語のホームページへ