第22回日米合同運営委員会(於:サンフランシスコ)/2月24〜25日

日米は内向きにならずに、国際的責務を果たすべきである


2月24・25日の両日、日米財界人会議の第22回日米合同運営委員会がサンフランシスコで開催された。日本側からは豊田章一郎経団連会長、小林陽太郎日米経済協議会会長、青井舒一経団連副会長、米倉功同副会長、槙原稔アメリカ委員長、大河原良雄特別顧問はじめ58名、米国側はファイツ米日経済協議会会長はじめ30名が参加した。温暖な西海岸には珍しく、山あいでは雪が舞ったが、会議は終始和やかな雰囲気が支配した。

  1. 最近の日米関係
  2. 米国の対日貿易赤字が94年の549億ドルから95年には 456億ドルに縮小したこともあって、経済摩擦の声は一段低くなっている。米国の関心が経済問題から安全保障関係に移ったことや、クリントン大統領が、「対日通商協定の締結が、16万7000人の追加雇用をもたらした」など前向きの発言をしていることなどもその要因である。こうした中で会議は開かれた。

  3. 会議の模様
  4. 本来、夏の財界人会議の成果を半年後にレビューしたり、次の財界人会議の運営方針を決めたりする合同運営委員会であるが、最近は、取り上げるテーマが広範になっている。今回も両国の政治経済情勢、保険やエレクトロニクス、金融サービスなど個別分野の状況、さらに昨夏からの課題である、4つの特別合同タスクフォースの進捗状況が話し合われた。
    会議を通じ、日米双方は、貿易不均衡改善の兆しはみられるが、日本の構造改革の手綱を緩めてはならないと話し合い、日本側は規制緩和の決意を改めて表明した。また95年、政府間協議で日米自動車合意が期限ぎりぎりまでずれ込んだ経験もあって「ビジネスの問題はビジネス同士で」との認識が高まり、今回もこれが再確認された。半導体、フィルム、保険、航空のいわゆる4分野問題も、この文脈で話し合われた。
    豊田会長は、「産業協力」のテーマで自動車業界の例を引き、業界レベルの日米協力関係が着実に根づいていることを紹介した。これにGMのスミス会長は、日本メーカーの自主計画の実現に全幅の信頼を置いていると応じた。
    最後の自由討議では、日本側より、2国間の問題だけでなく、将来の日米関係のあり方やアジアとの関係などを話し合うことを提案、良い反応を得た。

  5. 今年の対米課題
  6. 来賓のシュルツ元国務長官は、「日米関係は、庭仕事同様、絶えず手入れが必要だ」と述べたが、日本は着実に規制緩和を進めることで米国との信頼関係を築いていくことが必要だ。また、大統領選の年であり、米国が内向きにならずに、国際社会で共にリーダーシップを発揮するよう呼びかけていかねばならない。


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