胡富国中国山西省書記との懇談(中国委員長 三田勝茂氏)/3月7日

エネルギーと観光で発展する山西省


胡富国・中国共産党山西省委員会書記一行が3月7日、三田経団連副会長・中国委員長を表敬訪問した。中国山西省は北京から約500km西に位置し、中国最大の産炭地として有名である。胡書記は、近年目ざましい発展を遂げている山西省の経済情勢を説明するとともに、日本企業の投資や協力を要請した。以下は胡書記の発言の概要である。

  1. 太行山の西に位置する山西省は、「石炭の郷」と言われ、中国最大の産炭地である。確認埋蔵量は約2,327億t、毎年の生産量は約3億tに達する。埋蔵量が多いだけでなく、分布の広さ、品質の良さでも世界的な評価を得ている。

  2. 山西省では現在、15年余にわたる改革開放の流れを受け、外資導入を促進させるため投資環境の整備に努めている。交通および通信インフラが早くから整っていたのに加え、北京と太原を結ぶ「太旧高速道路」も間もなく完成する予定で、北京へのアクセスが大幅に改善される。また、航空網の整備にも力を入れており、ジャンボ機が離発着できる空港を建設中である。

  3. 山西省は重要な電力供給地でもある。北京、天津、唐山地区が消費する電力の4分の1を供給し、1994年の発電量は毎時447.9億kwに達した。新たに 240万kwと 210万kwの火力発電所を計画中である。発電所の建設にあたって、われわれが一番留意しているのは環境の問題である。この点に関しては、豊富な経験と技術を持つ日本企業の協力を求めたい。

  4. 山西省は観光資源にも恵まれている。唐や宋の時代より以前の建築物の約70%は当省に残っており、山西省は「中国古代建築博物館」と言われている。中でも、市の南西に位置する玄中寺は約1500年の歴史があり、浄土真宗の起源でもあることから、日本の仏教関係者が多く訪れている。また、中国の4大仏教聖地のひとつとされる五台山、中国3大石窟のひとつである雲崗石窟も観光の名所として知られている。

  5. 山西省では、海外との友好関係促進の一環として、米国のアイダホ州やテネシー州、日本の埼玉県など、海外の多くの県や州と友好関係を結んでいる。埼玉県は東京に近く、山西省と北京の位置関係に似ていることから、1982年に友好都市の関係を結んだ。これらの地域とは経済合作、技術協力など経済面のみならず、学術、スポーツなどを通じた活発な交流を展開している。

  6. 豊富な地下資源や観光資源、インフラなど有利な条件を備えている山西省は、中国の新しい発展地域として期待されている。今後15年間、石炭と電力の供給基地としての役割はますます重要になるだろう。これは中国全体の発展、生産力の向上にも寄与する。日本企業が山西省に一層の関心を持ち、進出されることを期待したい。


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