アメリカ委員会(委員長 槙原 稔氏)/3月29日

日米経済問題を政治化すべきではない
―ペンフォールド駐日米国公使(経済担当)と懇談


米国政府は目下、日米間の当面の課題である保険、フィルム、半導体の3分野の問題を大統領の来日前に解決することを求めている。そこで、ペンフォールド米公使を招き、同問題に関する米国政府の立場を聞くとともに懇談した。なお、分野ごとに背景が異なるものの、経済問題を政治化すべきではないとの認識では一致した。

  1. ペンフォールド公使説明
    1. 日米関係
    2. 日米関係を強化し、地域・世界の安定に寄与するために4月の首脳会談を成功させたい。
      経済面では日米包括経済協議の合意を再確認することが重要である。米国側は政治的な緊張を避ける努力を払っており、これを対日経済関係に対する無関心と誤解してはならない。日米通商問題の解決には、多国間の通商枠組みだけでなく2国間交渉が不可欠である。
      貨物航空協議は双方に利益をもたらす形でまとまった。他の分野でも建設的な解決を望む。

    3. 保険
    4. 94年の保険分野の合意で、まず、日本の保険市場の95%以上を占める第1・第2分野の規制緩和を進め、妥当な期間(3年程度)を経て、第3分野を自由化することになった。第3分野の急激な変化は望ましくない。

    5. 半導体
    6. 日米半導体協定は、両国業界間の発展と提携関係の深化に寄与した。新協定を結ばないと、こうした協力関係が損われる恐れがある。数値目標を盛り込まない形での延長は検討に値する。

    7. フィルム
    8. USTRは現在、通商法301条の下で日本のフィルム市場を調査中である。しかし、調査段階で日米の担当省庁が意見交換を行うことは有意義である。通産省は本件が公取委の問題だとして交渉に応じないが、流通機構の問題でもあり、通産省の専門家レベルと話し合いたい。

  2. 経団連側意見
    1. 保険
      1. 第3分野の自由化に反対する米国の立場は、規制緩和を促進するという保険合意に逆行する。また、外資に開放しながら、日本の生損保子会社の参入を制限せよとの米側主張には無理がある。
      2. 日米合意は双方向のものであったはずだが、米国市場の規制緩和の進捗について情報がない。

    2. 半導体
      1. 外国半導体のシェアが伸び、協定延長の必要性が薄れた。また、
      2. WTO上の問題(欧州・韓国との関係等)がある。

    3. フィルム
    4. 公取委の調査を注視すべきである。


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