首都問題委員会(司会 河野俊二委員長)/4月10日

地方分権推進委員会中間報告について聞く


地方分権推進委員会では、政府による地方分権推進計画の作成に向けて、本年末に具体的指針を勧告する予定としており、さる3月29日に、そのための中間報告を公表した。そこで首都問題委員会では、諸井委員長から報告のポイントならびに今後の展望について聞くとともに、意見交換を行なった。

  1. 諸井 地方分権推進委員長説明要旨
  2. 諸井委員長

    1. 今回の中間報告は、現時点での委員会の基本姿勢と検討方向を示し、今後関係各界との意見調整を進める上で議論のたたき台を提供するものである。

    2. 取りまとめにあたっては、機関委任事務制度の廃止、国の関与、必置規制、国庫負担補助金といった制度的課題を取り上げ、検討を行なった。
      また、委員会の検討と並行して、地域づくり部会とくらしづくり部会において個別の行政分野別課題について調査審議した。

    3. 今後の課題としては、権限を委譲される地方公共団体の行政体制の整備や、規制緩和との整合性の確保とともに、中央省庁との調整を進める必要がある。

  3. 意見交換
  4. 経団連側:
    地方公共団体の首長の権限は非常に強く、住民の声が反映されない場合もみられる。
    諸井委員長:
    地方分権を「官官分権」としないためにも、有権者の意識を高める必要がある。

    経団連側:
    道州制は検討しないのか。
    諸井委員長:
    現行の二層制を前提に地方分権を考えている。複数の県にまたがる問題は、まず県の間で調整されるべきと考える。

    経団連側:
    企業にとっては地方分権のメリットは分かりにくい。
    諸井委員長:
    今後の経済発展のためには地方の個性化、自由化、活性化が必要であるが、地方行政のレベルの向上は、長期的には企業運営にとってもプラスである。

    経団連側:
    規制緩和が進められているにも係わらず、中央に輪をかけた規制を行う地方公共団体があることは問題である。
    諸井委員長:
    地方公共団体における経済活動への規制強化は、結果として住民に不利益をもたらし、ひいては地方公共団体の発展も阻害することになろう。


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