豊田会長の一言


4月23日(火)
監査役全国会議において講演

「事業経営にあたっては、社会倫理を無視することや社会的正義に反することは許されない。これは当たり前のことのようであるが、昨今の金融不祥事や不良債権の処理をめぐる混乱を見るにつけ、根は深いところにあるように思う。
そうした問題の未然防止に万全を期すためには、企業の内部監査の仕組みを抜本的に見直し、その仕組みを有効に機能させることが重要である。こうした点からも、高い倫理観を持ち、責任感にあふれ、信念を持って行動する監査役の果たす役割は大きい。」

4月23日(火)
財界記者との定例懇談会

「(米国経営者の多額の報酬について)以前から問題になっているが、日米の国情や税制の違いもあり、一概には言えない。また労使協調の考え方も日米で違う。米国に進出した日本企業は、良き企業市民になろうと努力しており、日本的経営手法が評価されている面もある。この点からは、日本企業が米国企業に手を貸せるかもしれない。」

4月24日(水)
経済同友会創立50周年記念総会において

「時代の転換期にあって、経済団体のあり方が問われている今日、日本人の暮らしを本当に豊かにし、また世界から信頼され、世界の平和と繁栄に貢献する上で、わが国経済界、企業人がなすべきことは多々存在する。それらの諸課題に対し、今後ともそれぞれの経済団体の持てる資源と特色を活かしつつ連携・強化を行ない、痛みを乗り越えて魅力ある日本の創造に向けて取り組んでいくことが重要である。」

5月7日(火)
ジャパンソサエティ(ニューヨーク)にて講演

「経団連は、最近、日米企業の協力関係について正しい認識を促すために『日米経済ハンドブック』をとりまとめた。その中で、例えばエレクトロニクス業界では、1994年の1年間に日米の企業間で実に713件もの提携が結ばれており、これは1992年の412件の1.7倍にあたることを紹介している。
その他の分野でも、日米の企業レベルの関係は、競争と協調を併せ持つ非常に高度の関係にある。今求められることは、一部の表面的な軋轢によって、こうした協力関係を徒に傷つけないことである。」

5月13日(月)
会長副会長会議後の定例記者会見

「財政再建は重要であり、一方経済の活性化も必要である。経団連ビジョンではいくつかのケーススタディを発表したが、他にもいろいろビジョンが出されており、いいことだ。要は国民の選択であり、中長期的に日本をどうすべきかという観点から議論を深めてほしい。」

5月14日(火)
常任理事会においてビジネスラウンドテーブルとの懇談の模様を報告

「教育問題について関心が高く、多くの時間を割いて議論した。高等教育に優れている米国と初等教育が充実している日本は、互いの長所を学ぶ関係にあることや、経済界が果たす役割は極めて大きいという点で意見が一致した。
ワシントンでは、いろいろな要人と会ったが、元RTC(整理信託公社)の総裁であったシードマン氏からは、(1)住専だけでなく、一般の不良債権の早期処理に着手する、(2)情報開示を徹底し、国民の納得を得ながら進める、(3)処理はRTCのように政府から独立した機関が行ない、そのトップには泥をかぶってでもやり通せる人を据える、などのアドバイスを貰った。」


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