経団連くりっぷ No.37 (1996年 7月25日)

中東・アフリカ地域委員会(委員長 笠原幸雄氏)/7月11日

日本チュニジア友好関係の強化・促進を目指して
−ベン・アリ・チュニジア共和国大統領との懇談会


中東アフリカ地域委員会では、今般国賓として来日したベン・アリ・チュニジア共和国大統領を招き、昼食懇談会を開催した。当日は、経団連側から豊田会長、笠原委員長ほか約50名、チュニジア側からはヤヒア外務大臣、ガンヌーシ国際協力・外国投資大臣ほか約30名が出席し、なごやかな雰囲気の中での昼食の後、豊田会長から大統領の訪日を歓迎する旨の挨拶を述べた。これに対してベン・アリ大統領からは、以下の内容の発言があった。

ベン・アリ大統領発言要旨

豊田会長、笠原委員長はじめかくも多数の経団連の会員の皆様と意見を交換できることを先んずもって感謝したい。両国は、地理的には大きく隔てられているが、両国関係は緊密である。日本の経済界が両国間の関係強化に尽くしてきた役割の大きさについては高く評価している。

1987年以来チュニジアでは、議会制民主主義政治の推進と人権尊重の徹底に努めている。この結果、バイタリティあふれるチュニジアの労働者、中産階級が育まれ、政治・経済・社会の調和のとれた発展を実現することができた。昨年、EUとの間にはじめて締結したパートナーシップ協定により、将来のチュニジアの発展は、ますます確実なものとなっている。 過去8年にわたりチュニジアは、経済を自由化し、門戸を開放しつづけてきた。その結果、経済成長率は、年平均4.2 %を達成し、対外債務返済比率も86年の28%から、95年には18%にまで引き下げることができた。またEUとの間の自由貿易協定は、国内産業にとっては大きな試練だが、海外の投資家にとっては大きなビジネス機会である。

さらにチュニジアでは、工業、農業、サービス各部門の効率化を一層進め、コンピュータソフトウェアの開発や環境保全などの先進分野などに創造性を発揮させるべく、これら分野の振興を奨励してきた。また、国営企業の民営化を同時に進めてきている。政府の効率化、金融機関の競争力強化、そして常に変わりつつある企業のニーズに、応えうる人的資源を育成することにも、取り組んできている。日本の企業も、この好機を逃すことなく、わが国との経済交流の促進に努めてほしい。

ベン・アリ大統領と豊田会長


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