経団連くりっぷ No.39 (1996年 9月12日)

豊田会長の一言


8月6日(火)
ケニア・モイ大統領を表敬して

「貴国の独立以来の経済、社会の発展を誠に喜ばしく思う。最近は、世銀、IMFとの協力のもとで、経済改革に努められ、通貨、金融および貿易政策を中心に成果を挙げていると聞いており、貴国の経済が一層安定し、発展することを願う。特に、経済発展の基盤を確立するためには農業生産を向上させることが重要である。」

「今回、貴国を訪問したのは難民キャンプを視察するためであるが、貴国がソマリアなどの難民を受け入れ、難民キャンプの治安に責任を負われるなど、大変なご努力をされていることに、深い敬意を表する。」

8月6日(火)
難民キャンプ視察後のケニア・日本人商工会主催夕食会において

「経団連では、『魅力ある日本』と題するビジョンを発表し、『活力あるグローバル国家』を目指すことを強調した。これは、いきいきとした活力ある日本の経済社会を構築するとともに、地球的視野にたって国際社会における責任を果たす日本を創っていかなければならないということである。今回、難民キャンプを視察して、ますますこの思いを強くした。」

8月7日(水)
難民キャンプ視察後の内外記者会見において

「強い印象を受けたのは、キャンプの規模の大きさであり、このようなキャンプがアフリカ大陸の中に数多くあるという現実を目の当たりにして、改めて難民問題の深刻さを痛感した(アフリカの難民数は、約 800万人)。経団連としても引き続き難民の支援をしていく。しかし、支援の一方で根本的な解決方法を模索していかなければならない。支援は、人道上必要なことであるが、理想はあくまでも難民の自主的帰還であり、それを可能にする政治的、経済的環境を作りあげていくことが肝要である。そのためには、当事国の努力はもちろん国際的な協力が必要であると強く感じた。」

8月20日(火)
アジア隣人会議で挨拶

「アジア隣人会議は、寛いだ雰囲気のなかで、自由な意見交換を行ない、旧くからの友情をさらに深めるとともに、新しい友情を育む場になるものと確信している。アジアを取り巻く国際環境は一段と変化している。特に、今年は、3月にタイでASEMが開かれ、11月にはマニラでAPEC、12月にはシンガポールでWTOなどの会議が開催されることになっており、節目の年になると予想される。アジアの隣人同士の親交を深め、アジアと世界が直面している困難な課題の解決に向けて友人同士で知恵を出し合っていきたいと思う。」


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