経団連くりっぷ No.47 (1997年 1月 9日)

経団連第50回評議員会

「ビッグバン」の完成をめざして

大蔵大臣 三塚 博


 「二兎を追うものは一兎を得ず」というが、ここまでくると「五兎」を追ってすべて得ねばならない状況にあり、五大改革を同時並行で断行する。なかでも、金融システム改革、「ビッグバン」の完成をめざし、アジアのリーダー国、世界の3本の軸の一つとして、名誉と信頼を築いていきたい。

 先の総選挙で各政党が呼びかけたことは、大同小異であり、あとは、やるか、やらないかである。これを実行するのが、第二次橋本内閣の責任であり、わが国、ひいては、後世代に対する責任でもある。

 また、防衛・ODA・医療等、聖域を設けず明年を財政構造改革元年としたい。赤字国債の濫発には、ストップをかける。平成9年度予算編成においては、歳出のカットでこれに対応する。

 景気は緩やかな回復基調にある。消費税5%、特別減税10%の廃止によって、平成9年度で言えば、5兆円プラス2兆円の増税であるが、この影響については、財政金融のなかで対応していきたい。

 財投については、民間の補完役に徹し、民間の活力を投入すべく、諸制度の整備、規制緩和を進めていく。また、金融改革に関し、検査監督機関も本予算編成後にその大枠が決まるであろう。国民や経済界の努力が無にならないよう、後が無いという決意で改革の実現に向け、努力していく。


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