経団連くりっぷ No.47 (1997年 1月 9日)

経団連第50回評議員会

経済運営の基本的な考え方

経済企画庁長官 麻生 太郎


 経済企画庁の取り組むべき課題としては、第1に、景気の回復を確実にすることである。景気は、緩やかながら回復の動きをみせており、このことは各種データからも裏付けられている。他方、雇用情勢は、依然として厳しい状況にある。96年度の成長率は、2.5%を見込んでいる。

 来年度の景気の見通しとしては、民間需要を中心とした自律的な回復の動きをみせるものと期待している。個人消費は、消費税の引き上げによる影響が年前半に見られるものの堅調に推移し、住宅投資は、引き続き高水準を維持するものと思われる。民間設備投資は、企業収益の回復などにより、改善するものと期待している。また、貿易・サービス収支・経常収支とも減少傾向にあり、雇用情勢は、依然厳しさが続くものの回復に向かうものと思われ、97年度の成長率は2.9%を見込んでいる。

 第2は、経済構造改革の推進である。景気を持続的かつ内需主導型の成長につなげていくためには、規制の撤廃・緩和をはじめとする経済構造改革が不可欠である。橋本首相からも、重点的に取り組むよう指示を受けており、当面、経済審から建議を受けた情報、金融、物流などの6分野について、全力で取り組んでいきたい。

 改革の成果が景気の浮揚につながるよう努力していきたい。


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