経団連くりっぷ No.47 (1997年 1月 9日)

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第6回CBCC対米調査ミッションの模様について


96年12月1日から10日にかけて、(社)海外事業活動関連協議会(CBCC=Council for Better Corporate Citizenship)の対米調査ミッションが、米国南東部のノースカロライナ、ジョージア、アラバマの3州を訪問した。立石信雄CBCC副会長を団長とする同ミッションは、1991年から毎年、日系企業が多く進出している米国各州を訪問し、今回までに合計21州で、現地におけるコミュニティ・リレーションズ活動の実態調査を行なってきた。海外で事業を行なう日系企業が現地コミュニティに融和し、「良き企業市民」として、その地域の発展に貢献するために、ミッションの成果が役立つことを期待している。

今回の訪問地では、地元のニーズに則した社会貢献活動を行なうことが事業を成功に導く、との考えが日系企業の間でも広く浸透しており、各社とも熱心にコミュニティ・リレーションズ活動を行なっていた。その評価については、アトランタで日系企業に勤めるアメリカ人の横断的組織である「やまびこ会」メンバーとの懇談会でも聞かれた。

「やまびこ会」は、ジョージア日本人商工会傘下の組織であり、日本企業で働くアメリカ人が、共通の関心事項を話し合える場として設立された。文化的な違いやミス・コミュニケーションに基づくお互いの経験を分かち合うとともに、意見をとりまとめて日本人商工会に提案もしている。彼らは総じて、日系企業で働いていることを誇りにしており、日本人マネージャーが従業員や地域コミュニティーのニーズの把握に努め、社会貢献活動に積極的なことを評価する発言が多く聞かれた。従業員のボランティア活動を日本人マネージャーが理解し、自らも積極的に参加することが、従業員から信頼を得るばかりか、コミュニティからも評価され、会社のイメージ向上に繋がるとの指摘もあった。ただし、彼らから日本人マネージャーの交代が早すぎること、新任者が社会貢献活動の必要性について前任者から十分に引き継がれていないことで困惑するケースがある、との指摘があったことも重要な点である。「やまびこ会」は日本人マネージャーと従業員、日本人と地元コミュニティの橋渡し役をしており、このようなユニークな組織が他の地域にも広まることが望まれる。

CBCC対米調査ミッションの報告については、現在作成中であり、ご関心がおありの節は、事務局までご連絡をお願いいたしたい。


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