経団連くりっぷ No.53 (1997年 4月10日)

豊田会長の一言


3月22日(土)
カルドーゾ・ブラジル大統領との懇談会(於:ブラジリア)

「バブル崩壊後、日本の景気は低調であったが、現在では改善され、96年の成長率は、3.3%になった。4月から消費税率が3%から5%にあがる。これは世界的に低い数字であるが、景気に悪い影響を与えるのではないかと懸念されている。また高齢化に伴う問題も心配されている。そうした現状を踏まえ橋本総理は、行政、財政など6つの改革を推進しているが、ブラジルにおいてもカルドーゾ大統領が率先して改革を進めていると聞いている。日本は、2010年までに首都機能を移転することにしているが、ブラジリアにきて、首都機能が移転すると、移転先においていろいろな産業が興ることが理解できた。」

3月24日(月)
サンパウロ工業連盟との懇談会(於:サンパウロ)

「ブラジルでは、レアル・プランの成功により、インフレが抑制されるなど経済の安定化を実現し、明るい展望が広がっていると承知している。一昨日、カルドーゾ大統領を訪問した際に、引き続き諸々の構造改革を進めると力強く話しておられた。ビジネス環境の一層の改善のためにも一連の改革が早期に実現することを強く期待している。」

3月24日(月)
コーバス・サンパウロ州知事との懇談会(於:サンパウロ)

「ブラジルが優れた経済政策により、経済の安定化に目覚しい成果を上げられ、着々と将来の発展の基盤を築いていることに強い感銘を受けた。また、当地にきて、ブラジル経済の中心であるサンパウロの活力と将来性を改めて実感した。 すでに、わが国企業の多くがビジネスの拠点をサンパウロにおいており、その重要性は今後ますます強まると思われる。当地は、日系人も多いことも含め、技術も良く、労働者の質も良い。公有企業の民営化の問題も含めいろいろと協力していきたい。」

3月26日(水)
フレイ・チリ大統領との懇談会(於:サンチャゴ)

「フレイ大統領がリーダーとなって、経済発展を進め、健全なる財政を堅持されていることに尊敬の念を持っている。日本は、もともと資源がなく、貿易立国であり、有力な市場として東南アジアがあるが、同時に中南米も今後発展の中心になっていくと認識している。日本としても、メルコスールおよびチリの経済発展に協力し、日本自身も経済発展を図っていきたい。」


くりっぷ No.53 目次日本語のホームページ