経団連くりっぷ No.57 (1997年 6月12日)

なびげーたー

会員のニーズに適確に対応した、
透明性の高い事務局運営を目指して

事務総長 内田 公三


去る5月27日の第59回定時総会において、三好正也事務総長が退任(参与に就任)され、その後任として私が選任されました。専務理事には、和田龍幸常務理事ならびに糠沢和夫参与が昇格し、また立花宏経済本部長が新たに常務理事に選任されました(なお藤原勝博、中村芳夫の両常務理事は留任)。私をはじめ常務処理役員は一致協力して、全力を尽くす所存であり、これまで同様に会員企業各位のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

経団連は「官から民へ」という流れの中で、21世紀に向けて内外から大きな期待が寄せられている。今後の活動は、経済社会の長期ビジョンで示した「活力あるグローバル国家」を実現していくことにあるが、当面の重要課題は規制緩和、税制改革をはじめとする日本経済の構造改革の推進、ならびに「企業行動憲章」の遵守を通じた企業の自己責任原則の徹底を図ることである。

昨年6月、事務局は機構改革を行ない、部課制を廃止し、本部・グループ制を導入した。これまでは委員会を担当するグループ・本部をまず決め、役員は各本部を所管することとしていた。今回の役員異動を機にこれを改め、本部という枠にとらわれることなく、委員会毎に担当の役員を決めることとした。これは役員が委員長を補佐して委員会活動に責任を持って対応するという主旨をより明確化するためである。また、経団連の根幹に関わり、かつ全体に関連する広報委員会、企業行動委員会、政治・企業委員会、企業人政治フォーラムは私が直接担当することとした(詳細は「事務局機構図」ご参照)。

このような機構改革は会長とも相談して決定したことであるが、この他にも会長、副会長等から種々事務局運営についてのご意見を伺っており、それらを踏まえて今後は次のような事務局運営を特に心がけていきたいと考えている。

第1は、柔軟な委員会対応である。先般、財政投融資問題については行政改革推進委員会、財政制度委員会、金融制度委員会の3委員長共管の下で取り組んだ経緯があるが、今後もこのように複数の委員会にまたがる問題については、合同で委員会を運営する等柔軟に対応していきたい。
第2は委員会活動の重点化を図るとともに、委員会相互の調整を充分行なう事である。事務局の規模が限られていることもあり、経団連としてぜひ取り組まなければならない課題を重点的にとりあげていくとともに、委員会相互の調整ならびに連携の強化に努めていきたい。
第3は事務局の合理化である。会員企業ならびに業界団体が、必死のリストラ努力をしている中で、経団連事務局としても人員増の抑制、経費の節減等に極力努めていかなければならない。歴代の事務総長は、少数精鋭主義という理念の下で、これまで事務局の肥大化を抑制してきた(ちなみに私が事務局に入局した昭和38年の事務局員数は120名、現在の規模は200名(ただし、当時なかった会館事業関係を除けば170名))。今後とも一層の合理化に努めるとともに、これまでと同様に、堅実経営を心がけていきたい。

最後に経団連をはじめ、企業等に対する内外の目はますます厳しくなっており、組織の透明性ならびに運営についてのアカウンタビリティー(説明責任)がこれまで以上に求められている。今後の事務局運営にあたっては、会長、副会長、委員長の期待に応え、会員企業のニーズに適確に対応するとともに、組織の透明性を高めていく事が何よりも重要なことであると考えている。


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