経団連くりっぷ No.57 (1997年 6月12日)
海外からの来訪者
5月12日
- 来訪者
- カンポス ブラジル・ロライマ州知事 他5名
- 経団連側応接者
- 糠沢専務理事
日本ブラジル経済委員会委員
- ポイント
- カンポス知事発言要旨
- ロライマ州は1988年に公布された新憲法によりできた新しい州である。ブラジルの北端に位置し、面積の80%が北半球に属している。サンパウロ、リオデジャネイロ等国内の大消費地からは離れているが、ベネズエラを始めとするカリブ海沿岸諸国の市場へのアクセスを考えると、有利な位置にある。
- 広大な平地を持ち、水資源、鉱物資源も豊富で、道路、電力等のインフラもすでに整備されている。
- 今後特に、大豆・とうもろこし等の農業、すず・金・ダイヤモンド・モリブデン鉱等の鉱業分野への海外からの投資を期待する。
5月14日
- 来訪者
- アッタール・サウジアラビア企画大臣
- 経団連側応接者
- 豊田会長
黒澤中東アフリカ地域委員長
小長中東アフリカ地域委員長代行
室伏伊藤忠商事社長
三好事務総長 他
- ポイント
- 大臣発言要旨
- サウジ政府は、第6次経済開発5カ年計画の策定にあたり、民間活力の重要性を考慮に入れた。とくに電力・通信などのインフラ整備には、外資を含む民間の資本と技術を導入していきたい。
- 日サ間は、政府・民間ともに良好な関係にある。日本の経済界には、この良好な関係をさらに発展させたい。サウジにとっては、日本の技術が極めて重要である。
- サウジの人口は1,700万人だが、近年急速に増加しており、大きな市場に成長しつつある。われわれは製造業投資と技術移転を求めており、今後の日本企業の積極的な投資を期待している。
5月15日
- 来訪者
- 第5次中国省長訪日代表団(呉亦侠(ゴ・エキキョウ)団長)
- 経団連側応接者
- 三田中国委員長他
- ポイント
- 中国省長代表団は、1974年以来、全国知事会が中国との間で、両国の親善、地域間交流の発展のため、知事(省長)の相互交流の一環として行なっているものである。今回は、呉亦侠貴州省省長を団長とする第5次訪日団9名が5月13日〜22日の日程で来日した。
- 5月15日(木)に実施した一行との懇談会には、三田委員長はじめ中国委員会メンバー企業から55名が参加した。呉亦侠団長が中国経済の現況や省長の権限といったテーマについて講演した後、その他の参加各省(黒龍江、河北、江西、湖南、海南)についても説明があり、特に沿海部に次ぐ経済地域として期待される中西部の改革・開放について、日中双方から意見が出された。
5月19日
- 来訪者
- ロバートソン ジャマイカ産業・投資・商業大臣 他4名
- 経団連側応接者
- 高垣中南米地域委員長
島本国際本部長
- ポイント
- 観光業、鉱業、鉄道・道路・空港等のインフラ整備、電気通信分野等への日本からの投資を期待する。
- 2カ月以内にJAMPRO(Jamaica Promotions Corporation)東京事務所を開設するので、活用してもらいたい。
5月28日
- 来訪者
- カンディール ブラジル企画大臣 他5名
- 経団連側応接者
- 豊田会長
末廣日本ブラジル経済委員会常任委員会座長
藤原常務理事
島本国際本部長
- ポイント
- カンディール大臣発言要旨
- カルドーゾ大統領は60%を超える高い支持率を得ているが、これは所得の再配分、行政改革の実現によるところが大きい。
- 財政赤字は着実に減少しており、97年はGDP比3%以下に押さえられる見通しである。国営企業の民営化により91年から97年の間に230億ドルの収入があったが、今後電力、電気通信分野の民営化によりさらに800億ドルの収入が見込まれており、これにより財政赤字の問題も解決できる。
- 60、70年代の日本からブラジルへの投資は主に国・公営企業が対象であったが、民営化政策により今後は民間が主役となる。こうした中、経団連の果たしうる役割は大きい。
- 経済改革の成功により、インフレの抑制、経済の安定化が実現し、投資環境が改善されている。憲法改正が実現し、カルドーゾ大統領が再選されることになれば、今後5年間経済政策の継続性が確保される。
5月29日
- 来訪者
- ラフュー・バリー駐日ギニア大使
- 経団連側応接者
- 笠原中東アフリカ地域委員長
- ポイント
- 日本の無償を中心としたODAには感謝している。
- 天然資源としては、世界第2の埋蔵量を誇るボーキサイトをはじめ、金、ダイアモンド、鉄鉱石等が豊富であり、観光開発にも向いている。
- しかし日本企業はアフリカへの投資を怖れているようで残念である。周辺にはトラブルを抱えている国もあるが、状況は改善しつつある。
- まず西アフリカに、そして変わりつつあるギニアに足を運び、可能性を知ってもらいたい。
くりっぷ No.57 目次/日本語のホームページへ