経団連くりっぷ No.57 (1997年 6月12日)

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国際感覚豊かな創造的な人材を養成するUWC


ヌール・ヨルダン女王が会長を務めるUWC(ユナイテッド・ワールド・カレッジ)は、世界各国から選抜された高校生を2年間受け入れ、日本はもとより世界の多くの大学で入学資格として認められている国際バカロレアのカリキュラムにもとづく教育により、国際感覚の豊かな人材育成を目指す国際的な民間教育機関です。現在、イギリス、カナダ、シンガポール、スワジランド、イタリア、アメリカ、ベネズエラ、香港、ノルウェーにカレッジ(高校)があり、それぞれのカレッジでは60〜70カ国の国々から250名程度の生徒が寮生活を行ないながら、国際的かつ各カレッジの特色を盛り込んだ教育を受けています。

経団連では、1972年に第3代の植村会長が国内協会の初代会長に就任して以来、会員各位の協力を得て、「社団法人ユナイテッド・ワールド・カレッジ日本協会(会長:小笠原敏晶ジャパンタイムズ会長)」の事務局としてUWCの各カレッジへの奨学生の派遣事業等に協力してきており、これまで300名以上の日本からの生徒が世界各地のUWCに学び、内外の大学に進学するとともに、社会の各層で活躍しています。経団連事務局にも昨年、当協会の奨学生であったUWC出身者が入り、国際本部で日々業務に励んでいます。そして、今年も4月3、4の両日に選考試験を行ない、75名が受験し、選考の結果、男子生徒5名、女子生徒8名の計13名の生徒を7つのカレッジに派遣することとし、6月4日にその激励会を行ないました。

わが国においては、現在、橋本首相の6大改革のひとつとして生きる力や個性尊重を基本とする教育改革への取り組みが開始されていますが、国際性や創造性を育成するUWCの先駆的な活動はさらに広く知られ、活力に富み国際的にも尊敬される魅力ある日本を築くためにも、もっと多くの生徒にこのような機会を提供できればと思います。しかしながら、内外の経済環境の厳しさの中で、これまでの会員企業からの休会等によりUWC日本協会の財政状況は厳しく、今年よりUWC派遣奨学生に2年間で200万円(従来は30万円)負担願うこととして、一層グローバル化する時代の国際的な人的ネットワーク作りにも資するUWC事業の継続を図っております。教育が今後の国際競争力を決める重要な要素となる時代を迎えて、UWC事業についてのさらなるご理解とご支援をお願いいたします。

【問い合せ先】
社会本部人材育成グループ内 UWC日本協会 星野、伊藤
TEL 03(3279)1411(内線3714、3711)

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