経団連くりっぷ No.63 (1997年 9月25日)

豊田会長の一言


9月5日(金)
海外技術者研修協会における講演より(於:名古屋)

「企業は、貿易・投資などの事業活動を通じて、発展途上国と接しているが、その際、心に留めておかなければならないのは、ビジネスの観点から資金的、物的な貢献を行なうだけではなく、直接、言葉を交わし、共に汗を流して喜びや苦しみを分かちあうことである。それによって、本当の意味での相互理解や信頼の醸成が可能になる。こうした努力の積み重ねにより、わが国の企業が、そしてわが国が世界から信頼され、尊敬される国になれると信じる。」

9月10日(水)
ハワード・オーストラリア首相との懇談会(於:シドニー)

「ハワード首相からオーストラリア経済が、改革を進めて良い状況になってきているというお話を伺ったが、オリンピック会場などを視察し、確かに前回94年に訪問したときよりも、町に活気があると感じた。日本でも橋本総理が行財政改革や規制緩和などの6大改革を進めており、再選された総理に改革路線の継続を期待し、経済界としても支援していくことにしている。日本の経済界としては、貴国との経済関係を深め、貴国の発展に努力したい。」

9月11日(木)
オーストラリア・ビジネス・カウンシル(BCA)との懇談会(於:メルボルン)

「APECは、ビジョンから実行の段階に入ってきたが、組織・活動があまりに拡大・複雑化しているという問題を抱えている。APECの組織の簡素化、活動の集中化を図るとともに、効率的な民間参加を実現するために、OECDのBIACのような組織を作ってはどうかと考える。こうした点でもBCAとの協力を深めていきたい。」

9月15日(月)
コート・西オーストラリア州首相との懇談会(於:パース)

「西オーストラリア州の魅力は、自然の美しさにとどまるものではない。経済関係においては、わが国の鉄鉱石輸入の約5割、LNG輸入の約1割を西オーストラリア州に依存しており、日本にとって大変重要な州である。この面では、我々の先輩が、首相の父上であるサー・コートに非常にお世話になり、これに基づく良好な関係が、コート首相の時代になってますます発展していることは誠に喜ばしい。コート首相のお姉さんは、わが国でも有名なテニスプレイヤーであるマーガレット・コート夫人とお聞きしているが、このたびその素晴らしい伝統を受け継いで、ラフター選手が全米テニスに優勝されたことをお祝い申し上げたい。」


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