経団連くりっぷ No.63 (1997年 9月25日)
経団連提言/9月16日
法人実効税率を国際水準並みの40%に
―「法人税制改革に関する提言」をとりまとめ
経団連では、9月11日の税制委員会(委員長:前田勝之助副会長)で
「法人税制改革に関する提言」
をとりまとめ、16日の第589回理事会で承認された。
法人税制の改革については、本年5月に「平成10年度税制改正で結論を得る」旨が閣議決定されている。これを踏まえて、提言では、国税・地方税を合わせた法人実効税率(現行49.98%)を、国際水準並みの40%まで引下げることを最優先に、国税・地方税を一体とした改革を行なうよう強く求めた。以下は、提言の概要である。
<基本的考え方>
税制改革の方向
個人・法人に対する所得課税への大幅な依存を改め、国民全体で負担を分かち合うよう直間比率の是正を行うことが税制改革の基本である。
法人税制改革の重要性
抜本的な法人税制改革により、わが国の産業立地上の国際競争力を強化し空洞化を防ぐとともに、企業の活力の維持・向上を図り、日本経済全体の活性化に結びつける。
法人課税の実効税率10%引下げ
実効税率を10%引下げ、欧米先進国並みの40%とし、企業の実質的な税負担を軽減する。
国税と地方税を一体として法人課税全体で実効税率を引下げる。
平成10年度税制改正において、法人税率を少なくとも5%引下げる。併行して、法人事業税率も引下げる。
実効税率10%の引下げが段階的に行われる場合でも、2年以内に実現できるよう、平成10年度税制改正においてワンパッケージで改革のスケジュールを明確にする。
中小企業の軽減税率とその適用上限額について、負担軽減の方向で見直す。
法人事業税の外形標準課税化は、従来通り容認できない。法人住民税の均等割については、法人住民税あるいは法人事業税の税率引下げとあわせて、拡充を検討する。
課税ベースの適正化
課税ベースについては、税の公平・中立・簡素などの観点から、国際的な潮流も踏まえ、踏み込んだ適正化を行う。
租税特別措置、各種引当金をはじめとして、課税ベース全般について適正化を行う。欠損金の繰越・繰戻、減価償却の耐用年数など、諸外国に比べて不利となっている項目の適正化も必要である。
企業集団税制の整備
本格的な連結納税制度を早期に導入する。
持株会社設立に係る税制を整備する。
法人関連税制の見直し
地価税ならびに土地譲渡益重課を廃止する。
適格年金に係る特別法人税の撤廃等年金税制を改革する。
有価証券取引税・取引所税の廃止とストック・オプションに係る税制を整備する。
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