外国公務員贈賄問題ワーキング・グループ(座長 塩見健三氏)/9月10日
OECDは本年5月の理事会で、98年中に各国がこうした贈賄行為を処罰するための法案の成立を図るよう勧告、このための条約交渉を年内妥結を目途に開始することを決定し、これを受けて7月7日〜9日に第1回条約交渉を実施した。各国とも本年末の期限までに条約を完成させるべく、早急に合意にいたる必要があるとの態度で交渉に臨んでいる。すでに事務局より第2次条約案が提示されており、今後、10月に第2回交渉、11月に第3回交渉を行ない、12月上旬の交渉妥結を目指す。
贈賄を通じて得た商取引から獲得した利益を没収することが提案されている。わが国としては、利益の範囲を特定することが困難であり、国内法上、他の犯罪に関しても類を見ないとして、反対している。また、(1)との関連で、法人への刑事罰が困難な国については、民事罰・行政罰などの何らかの処罰を講じることが必要との意見が大勢を占めている。
他企業の贈賄行為により損害を受けた企業は、贈賄を行なった企業を当該国の検察当局に告訴することができる。告訴する資格を有するのは、非締約国の企業を含め、当該国企業であるか否かを問わない。告訴権の濫用の懸念について、これまでのところ特に議論されていない。