経団連くりっぷ No.64 (1997年10月 9日)

行政改革推進委員会(委員長 今井 敬氏)/9月18日

自民党行政改革推進本部の取り組みについて聞く


9月3日の行政改革会議の中間報告を受け、自民党の行政改革推進本部では、省庁再編等の課題について検討を開始することとしている。そこで、行政改革推進委員会では、武藤嘉文新本部長から、党本部としての行革への取り組みについて説明を聞いた。

  1. 武藤本部長説明
    1. 行革会議の中間報告を受け、党行革推進本部としても、省庁再編や内閣機能強化、アウトソーシング(行政の実施部門を分離し、独立行政法人あるいは外局化)問題について検討することとなった。自民党として取りまとめた意見を、与党の行革拡大協議に諮った上で行革会議の最終報告に反映されるよう、政府に申し入れていく。党内には、行革会議の中間報告に批判的な意見が多いが、来春の通常国会では、政府・与党が一致した形で法案を通すことができるよう調整していきたい。
      なお、中間報告では、独立行政法人の職員の身分は未決定となっているが、独立行政法人が国家組織の外で、しかも独立した法人格をもったものとすれば、公務員とすることは難しいのではないか。

    2. 党行革推進本部で検討するにあたっては、現在128ある各省庁の局を100以下にする必要がある。例えば、通産省の貿易局と通商政策局、大蔵省の国際金融局と新設される金融局、運輸省の自動車交通局と鉄道局、海上交通局と海上技術安全局等は、21世紀には統合が可能であろう。

    3. また、国家公務員の削減も不可欠である。現行の定員削減計画に加え、5〜10年にわたる新しい削減計画の策定も考えられる。個人的には2割以上削減できると思っている。

    4. 郵政三事業については、党内では国営維持を求める声が非常に強い。しかし、万一国営で残す場合も、
      1. 郵貯の資金運用部への預託と簡保の財投協力の廃止、
      2. 民間より不利な条件での商品設計、
      3. 報奨金の廃止、
      4. 納付金制度の導入、
      5. 2割程度の人員削減、
      といった条件は譲るわけにはいかない。

    5. 行革推進本部としては、このほか、財政・金融の分離や国税庁の分離、規制緩和、地方公務員の削減などの地方行革や市町村合併等の問題についても検討していきたい。

  2. 豊田会長挨拶
  3. 今後の議論においても、中間報告の大枠は変えないことが望ましい。政府と与党の連携を密にしていただくとともに、国家的課題として、与野党を挙げた取り組みをお願いしたい。


くりっぷ No.64 目次日本語のホームページ