経団連くりっぷ No.68 (1997年12月11日)

中華人民共和国国務院総理李鵬閣下歓迎昼食会(経済6団体主催)/11月13日

中国は断固、対外開放政策を堅持する


経団連、日商、日経連、経済同友会、日本貿易会、日中経済協会の経済6団体は、わが国を訪問中の李鵬 中華人民共和国国務院総理歓迎昼食会を開催した。会合には約250名の日本企業の代表者が出席し、豊田会長の挨拶に引き続き、李鵬首相がスピーチを行なった。

    李鵬首相
  1. 中国経済は、改革開放以来20年近くにわたり、高度成長を維持してきた。本年も、9%以上の経済成長率を見込む一方、物価上昇率は2%以下になると予想している。中国の金融情勢は比較的安定しており、東南アジアにおける今回の金融不安の影響も、中国には及ばなかった。人民元の対米ドル為替レートは、終始8.3前後で安定している。われわれは、中国の将来について自信を持っている。

  2. 今日、中国の発展は世界経済と切り離して語ることはできない。われわれは、断固として対外開放政策を堅持する。最近、わが国は関税水準の引下げを実施し、平均税率を23%から17%に引き下げた。来年には、中国の産業政策に適う外国投資プロジェクトやハイテク技術・先進設備の輸入に対し、優遇措置を実施する。われわれは引き続き、外国からの農業、エネルギー、交通等のインフラ整備への投資を奨励する。なお、金融・貿易等のサービス分野における自由化は徐々に実施する予定だが、証券市場の開放と人民元の完全変動相場制への移行を今すぐに実現することはできない。

  3. 国交正常化以来、中日両国の経済関係は大きな進展を遂げてきた。両国間の貿易総額は600億米ドルを上回り、日本にとって中国は第2の貿易相手国となっている。また、日本企業の対中投資分野にも新たな広がりが見られる。中国の活力に満ちた経済と市場の大きな潜在力、そして日本の豊富な資金や発達した技術、マネジメントの経験という強みを双方が補完し、協力を強化すれば、双方にとって必ずや大きな利益となる。特に、中国の中西部地域への投資には大きな将来性がある。また、現在中国が力を入れている国有企業の改革も、大きな市場である。日本企業のこの分野における協力と活躍を期待している。

  4. 現在中国では、多くの製品について需要を供給が上回っている。商品の品質に対する消費者の目も厳しくなってきており、競争は激しくなっている。今後、日本の投資家は、最新の技術と優れた品質をもって中国に進出することが求められる。


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