経団連意見書/1月27日
社団法人 経済団体連合会
世界経済が健全に発展していくためには、開発途上国の経済成長は欠かせない。途上国経済が着実に成長するための要諦は、整備されたインフラの存在である。周知のごとく、アジアを中心とする途上国におけるインフラ開発の需要は大きく、日本の協力に対する期待は極めて高い。
相手国政府が民活インフラ事業に対する適切な施策(たとえば発電所の場合の燃料供給・電力引き取り保証、外貨転換・送金保証等)を講じ、かつこれら施策を確実に履行するよう助言し、支援する機能を強化すべきである。
また超長期貸し出し(10年超)や保証、出資など、民間を補完し支援する機能の積極的な展開を期待する。
民活インフラ事業は、収入が地場通貨であり、地場通貨による資金調達が望ましい。しかしながらアジアを中心とする資金需要国においては、地場通貨市場が未成熟であり、ドル建て資金調達が主流となっている。輸銀の外貨建て融資は年々拡大してきているが十分とはいえず、これを一層拡大すべきである。
昨今のアジア通貨のドルリンク離れや1999年の欧州統一通貨ユーロの登場等を背景として、通貨に対するニーズはますます多様性を増すものと思われ、これに柔軟に対応していくべきである。
信用危険のてん補率の引き上げや、海外投資保険のてん保事由の拡大および期間の拡大など、民活インフラ事業に対応した保険の充実、ないし弾力的な適用を行うべきである。さらにグローバル・スタンダードを考慮しつつ、途上国の貿易保険制度の整備に協力し、わが国貿易保険の再保険引受け制度の活用に道を開くべきである。
以 上