中南米経済の利点
中南米経済の根本的な弱点として、世界銀行のチーフ・エコノミストは、
- 貯蓄率の低さ、
- 輸出の不振、
- インフラの未整備、
- 民営化企業に対する規制の不備、
- 貧富の格差、
を挙げている。
しかし、今後、中南米諸国はこれらの弱点を自ら認識して修正し、以下のような利点を活かして可能性を発揮していくであろう。
- 民主的政治が根づき政情が安定しており、政権交代が平和裏に行なわれるとともに、経済政策の継続性が確保されている。
- 大蔵省、貿易省、中央銀行など経済政策の立案に関わる部門が優秀な人材を擁し、経済危機に対して迅速かつ確実な対応策をとることができる。
- 中南米諸国にとって最大の問題であった慢性的なインフレが、近年、目覚ましいペースで収束し、貧困層が減少している。
- 倒産、スキャンダル、買収などの困難のなかで生き残りをかけて体力、財務基盤を強化した銀行が、近年、外国銀行との競争にさらされ、さらに改革を進めている。
- 90年代に入り外国からの投資が急増、輸出も倍増している。
- メルコスール、北米自由貿易協定その他、数多くの自由貿易協定が締結されている。