OECD贈賄防止条約の国内実施法案に関する説明会(座長 塩見健三氏)/4月22日
97年12月に外国公務員への贈賄を防止するためのOECD条約が署名されたのを受け、わが国政府は同条約を国内で実施するため、「不正競争防止法」の改正案を4月10日に国会に提出した。この法案が成立すれば、わが国企業の海外事業活動に大きな影響を及ぼすことが予想される。そこで、通産省産業政策局知的財産政策室の三浦課長補佐より、同改正法案の内容について説明を聞いた。
「営業上の不正の利益を得る」ことを目的として、外国公務員に対し、金銭、物品、供宴、接待、地位、情報などの利益を供与、申込み、または約束し、「外国公務員に職務に関する行為等をさせる」ような行為が、国内での処罰の対象となる。
営業とは、収支計算に基づいて行なうすべての事業を含む。不正の利益とは、社会通念上許されない形で競争相手より優位に立つことを指し、有形・無形を問わない。ファシリテイション・ペイメント(ビザ、通関、税金還付等の手続の円滑化を目的とする支払い)や、当該国の法律上認められている支払いは含まれない。
また当該公務員の職務権限外の行為、例えば他省の情報を流す行為などは該当しない。
外国公務員とは、以下の者を指す。
個人に対する罰則は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金とする。法人に対しても、不正競争防止法の両罰規定により、監督責任が問われ、3億円以下の罰金が科される。法人の罰金の最高額が1億円から3億円に引き上げられたのは、金融監督法案で法人の罰金が個人の罰金の最高額の100倍とされているのに合わせたものである。