胡錦涛 中華人民共和国国家副主席との朝食懇談会/4月23日
今年3月に開かれた第9期全国人民代表大会において国家副主席に就任した胡錦涛(こきんとう)氏が日本を公式訪問した。経団連では、同副主席との朝食懇談会を開催し、今後の日中協力の拡大および対話の深化について意見交換を行なった。以下は胡錦涛副主席の発言要旨である。
今回多くの方々とは初めてお目にかかるが、経団連の友人達の歓待に大変感謝している。
中国の経済情勢を簡単に紹介したい。20年に及ぶ改革開放、とりわけ最近5年間に進めてきた社会主義市場経済体制の下で、全方位的かつ多次元な対外開放の枠組みが基本的に完成した。こうした枠組みの中で、中国の経済は持続的、快速的かつ健全的な発展と社会的進歩を実現することができた。この20年間の平均成長率は年率11%で、直近の年間貿易総額は3,550億米ドルと5年前の約2倍、外貨準備高は1,400億ドルと日本に次いで世界第2位となっている。
昨年、アジアの一部の国で発生した金融危機は中国の経済にも大きな圧力を与えている。しかし中国政府としては98年も引き続き高成長・低インフレの傾向を維持し、国交正常化以来、日中間の経済貿易協力は大きく発展した。アジアの金融危機は若干の困難をもたらしたものの、両国の間にはこうした困難にも左右されない強い基盤が存在する。中国政府は、昨年、輸入関税率を大幅に引き下げたのに続き、今年は中国の産業政策に合致する投資プロジェクトや先端技術・設備の導入に一定の税制上の減免措置を施すこととした。今後も中国政府は、中国での経済活動を拡大するための良好な環境と機会を日本はじめ外国の企業に提供していきたい。
われわれは、未来の21世紀に向けて両国の幅広い交流をよりよく発展させる自信を持っており、日本経済界の友人達とも互いに力を合わせて努力していきたい。