社会貢献推進委員会(委員長 椎名武雄氏)/7月1日
社会貢献推進委員会では、先の通常国会で成立した「特定非営利活動促進法」(NPO法)の意義や今後の課題等について、日本NPOセンターの山本正代表理事から説明を受けた。
また、今後の委員会運営や毎年実施している「社会貢献活動実績調査」の調査内容ならびに本年度刊行予定の「社会貢献白書」について審議するとともに、各専門部会や1%クラブの活動状況などについて報告し、意見交換を行なった。
NPO法は、その立法過程が画期的であり、NPO関係者、経済界等の協力により成立した真の議員立法と呼べる法律である。
NPO法は単にボランティア団体だけでなく、より幅広い活動を行なうNPOに法人格を与えるものであり、NPOを行政、企業とは異なった価値観と役割をもった第三のセクターとして位置づけるきっかけとなる。社会的ニーズが多様化し、社会がめまぐるしく変化する中では、官だけが行なってきた公共分野を民間(企業、NPO)が担う必要がある。また、ガバナンス(社会運営)の透明性を高めるという点でもNPOに対する期待は大きい。
一方で、NPOがひとつのセクターとして発展していくためには、NPO自身が自己責任原則に基づき、積極的に自らの存在意義を明らかにしていくことが求められるであろう。同時に、財政基盤を強化し、プロフェッショナルを育成できる土壌をつくり上げる必要がある。
さらには、効率的な企業とNPOとのパートナーシップのあり方についても、双方が精力的に探っていく必要がある。
当部会では、NPOを企業の社会貢献活動にとって不可欠なパートナーとして捉え、その社会的基盤整備に関する検討を重ねてきた。NPO法についても、各党の議員を招き説明を聞くなど、望ましい法律のあり方を探ってきた。
今後は、国会の附帯決議にあるように、NPOの財政基盤を強固にするための税制のあり方等の検討を行なう必要がある。
当部会では、ボランティアの環境整備に関する課題を有識者を交えて議論しつつ、社員のボランティア体験の場づくりのためにNPOとのパートナーシップを進めてきた。
各社が築き上げた制度やプログラムの実践により、社員のボランティア活動は市民権を得つつあるが、そうした状況下では、個人の自律や人権への配慮、社員がボランティア活動を行なう意義に関する社内理解の促進、あるいはステークホルダーズ間の利害バランスの中で、「企業の社会性」や「社員の人権」を問い直す姿勢が必要である。
当部会では、「企業・NPO研究会」を置き、NPOとの連携の可能性に関し、いくつかの具体的事例についてヒアリングを行なってきた。
今後は、NPOの財政基盤を強化するため、企業から効果的に資金が流れるシステムの構築や民間による政策提言のあり方、さらにNPOへの支援を単なる援助ではなく、社会的投資と捉える考え方などについて検討を深める必要がある。
91年より毎年実施している標記調査を以下のとおり実施することが了承された。
96年以来3年ぶりに刊行を予定している社会貢献白書について以下のとおり了承された。