輸送委員会(共同委員長 濱中昭一郎氏)/7月27日
輸送委員会は、本年度、高コスト構造是正の観点から物流効率化の推進に向けた諸施策について検討を行なっており、その一環として、自民党物流問題調査会事務局長の細田博之議員を招き、物流の効率化について説明を聞くとともに懇談した。なお、当日、輸送委員会の今後の検討体制として、従来の企画部会、物流部会を統合し、名称を企画部会とすることを決めた。
わが国では、物流に要するコストと時間が多大であるという批判がある。ところが、運輸省が行なった物流サービスに係る内外価格差の試算によると、1997年時点では、近年の円安傾向の影響を受けて、アメリカの方が安いのは、大口・長距離輸送の分野のみという結果となった。国際比較は為替水準から影響を受けるところが大であるが、だからといってこのままで良いわけではなく、わが国企業の国際競争力を確保するため、物流効率化は是非とも推進すべき課題である。
加えて、近年、地球温暖化問題の観点からも物流効率化が強く求められている。昨年12月に京都で開催されたCOP3の会合を受け、2010年時の二酸化炭素排出量を1990年レベルで安定化させるという目標を達成するため、わが国政府は、運輸部門で1,270万トンの削減を図るとして、物流効率化対策により250万トン分削減したいと見積もっている。この実現のためには、モーダルシフトを進める必要がある。トラック台数の削減、とりわけ自家用トラックの削減が課題である。また、低燃費車の普及を促す自動車関係税制のグリーン化を進める必要がある。
来年度予算編成においても、物流効率化特別枠(本年度当初予算は1,500億円)を要求しようと考えており、この中身に関して具体的な要望があれば、概算要求前のできるだけ早い時期に寄せてほしい。