情報通信委員会情報化部会合同会合(委員長 藤井義弘氏)/7月15日
政府の高度情報通信社会推進本部は、昨年9月に電子商取引等検討部会を設置し、電子商取引の推進に関する基本的考え方や問題整理を行ない、6月18日に報告をとりまとめた。そこで、情報通信委員会では、7月15日に情報化部会との合同会合を開催し、同検討部会の座長を務めた大山永昭東京工業大学教授より、報告の内容や今後の課題等について説明を聞くとともに意見交換を行なった。なお、当日は、「次代を担う人材と情報リテラシー向上策のあり方に関する提言」(案)についても審議を行ない、了承した。以下は大山教授の説明要旨である。
情報化社会では、現実の空間に新たにサイバー空間が加わり、いつでも、どこでも、誰でも、簡単にサイバー空間での社会活動を営むことができる。そのためには、現実の空間とサイバー空間に適用される制度や法律は同じものでなくてはならず、サイバー空間を想定していない制度の見直しが求められる。サイバー空間の問題を解決するためには、法律などの制度的な対策のみならず、技術的な対策(新技術の開発等。具体例:暗号アルゴリズムや原本性保証電子保存システム等)や組織的な対策(メーカーや利用者等が自主的に管理・運用規程等を作成、実施。具体例:自主的ガイドラインの策定等)を組み合わせることが必要である。
電子商取引等検討部会報告では、
今後は、情報化社会に関する省庁横断的なグランドデザインの策定、政府の情報化推進体制の強化を図る必要があり、民間から声を上げていくことが望まれる。
また、省庁連携による具体的取組みとして、現在、各省庁が個別に取り組んでいるICカードについて、公的分野で汎用的に利用可能なICカードシステムの開発を推進する必要がある。