経団連くりっぷ No.85 (1998年9月10日)

今井会長の一言


8月5日(水)
与謝野通産大臣と経済4団体との懇談会

「景気は、非常に悪い。当面、景気の回復に全力を挙げていただきたい。思い切った減税案を出されたことは大変結構である。税制については、先に減税を行ない、2段回目で構造的改革を行なうという考え方も良いと思う。通産省は、企画・立案官庁に脱皮し、経済構造改革を省庁の枠を超えて手がけており、評価している。経済の活性化と産業の強化に努めていただきたい。」

8月20日(木)
自民党5役との懇談会

「わが国の景気は、大変厳しい状況にある。こうした状況を打破し、景気を本格的な回復軌道に乗せるためには日本経済の構造的、抜本的な改革を推進する必要がある。経済界としては、金融システムの安定化、税制の抜本改革、効果的な財政出動、年金制度の再構築、持ち合い株式の交換制度導入などを要望したい。」

8月21日(金)
長銀と住友信託銀行の合併前進に関するコメント

「国際的に影響の大きい大銀行の破綻は好ましくなく、今回、長銀の抜本的なリストラを前提として、両行の合併交渉が最終合意に向けて大きく前進したことを歓迎したい。政府・日銀は両行が円滑に合併できるよう公的資金の投入や日銀特融の活用で全面的な支援をしていただきたい。また、これが金融システム不安を払拭することを期待したい。」

8月27日(木)
江沢民国家主席との懇談(於:北京)

「洪水災害について、心からお見舞い申し上げるとともに、今後の日中関係について3点お話ししたい。まず第1が、日中両国が直面している困難な問題について双方のシンクタンクが相互に研究し、知的人的交流を深めて、相互理解、協力プロジェクトを進めていくこと、第2が、環境緑化への協力、第3が、21世紀に向けた日中の友好協力のシンボルとしての高速鉄道の建設協力である。」

9月1日(火)
在京外国特派員との懇談

「景気の足元は非常に悪い。秋から良くなることを期待しているが、そのためには国会で金融再生法案が成立することが前提である。総理の訪米前に与野党間の妥協が形成されることが重要である。」


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