米国バブソン大学ヒグドン学長との懇談会(司会 古見新産業・新事業委員会企画部会長)/8月3日
新産業・新事業委員会では、新産業・新事業の創出に取り組んでいるが、さる8月3日、起業家教育の分野では全米ナンバーワンの評価を得ているバブソン大学のヒグドン第10代学長を招き、起業家育成のあり方等について説明を聞くとともに、種々懇談した。
起業家とは、新しい会社、新しい事業を創造する人、事業機会に気づき、事業機会を追求する人を指し、
より俊敏で小回りのきく会社との競争に直面している大手企業としては、自らの生き残りをかけて、企業内における起業戦略を立て競争力を強化することが急務である。そこで、例えば、母体企業で生み出された事業をスピンアウトさせ、スピンアウトした企業の社長とそのチームに、公開株式の一定割合を与えるなど従業員の新事業創出を奨励する制度を設けること、環境変化をとらえて事業機会を把握するスキルや経営資源を活用しつつ環境変化に即応して組織再編するスキルをもつマネージャーを育成することなどが重要である。
起業家精神は、必ずしも先天的なものではなく醸成できないものではない。起業家を支援する教育環境を整備することにより、起業家としての能力やスキルを育むことができる。バブソン大学の学部、MBA、企業向けのいずれの教育プログラムでも、リーダーシップとイニシアチブの醸成、変化に対応できるマネジメント能力の育成を柱に据え、バランスよく事業リスクと事業機会をとらえることができるスキルをもった起業家、マネージャーを育成している。
米国では産学の連携により優れたイノベーション、新しいアイデア、企業の成長がもたらされており、今後、米国の大学と日本企業との協力関係を起業家育成の面でも築き、新事業の創出による企業成長、経済成長に貢献していきたい。