経団連くりっぷ No.86 (1998年9月24日)
経団連報告書/9月22日
経団連が国際文化交流に本格的に取り組むようになってから10年が経過した。この間、現地のニーズを踏まえて、アセアン諸国を対象に5つの国際文化交流プロジェクトを実施し、現地から高い評価を得てきた。しかし、10年前とは日系企業の現地社会への対応も経済環境も異なり、加えて現行プロジェクトが本年以降、順次、当初定めた実施期間の終了を迎えることから、国際協力委員会では、昨年からおよそ1年をかけて、これまでの活動の成果をレビューし、あわせて経団連が今後、国際文化交流にどのように取り組むべきかについて議論してきた。そうした議論をまとめたものが、本報告書「国際文化交流活動の意義、これまでの成果と今後の取り組み」であり、以下はその骨子である。
報告書「国際文化交流活動の意義、これまでの成果と今後の取り組み」
骨 子
1998年9月22日
(社)経済団体連合会
- ※本報告書の位置づけ
- 現行の国際文化交流プロジェクトの内容や成果のレビュー、および国際文化交流において経団連が果たすべき役割などに関する議論を整理・集約し、経団連としての今後の取り組みを示す。
- 国際文化交流の必要性と経団連が果たすべき役割
- 国際文化交流の必要性 〜環境の変化を踏まえて
アジア通貨・金融危機の発生、日本経済の低迷と企業におけるリストラの進展など、10年前に比べて国際文化交流をめぐる環境は変化しているものの、
- 現地コミュニティーに溶け込むことは経済活動の前提
- 経済状況が厳しくなるほど、現地コミュニティーからどう見られるかが問われる
- 日本への親近感が増すことは、海外事業活動を円滑に進めるうえでも重要
- 日本企業および日本人のさらなる国際化が重要
などの点を踏まえた国際文化交流の必要性は依然として高い。
- 経団連の果たすべき役割
- 国際文化交流の意義やあり方に関する内外の理解促進
- 企業が個別に取り組むことができない活動への取り組み
- 企業による国際文化交流活動を推進するための環境整備
(寄付金税制の問題、国際文化交流に関する情報の提供) 等
- 現行プロジェクトの評価と課題
- 現行プロジェクトに対する評価
反省・改善すべき点はあるものの、現地、参加企業ともにおおむね評価。
- 課 題
- 経団連らしさの追求
- ニーズの明確化
- 評価基準の導入
- 一方的でない相互的な交流の実現
- 多国間文化交流への取り組み
- 広報とフォローアップの必要性
- 国際文化交流に対する今後の取り組み
- 企業による国際文化交流活動推進のための環境作り
- 寄付金税制の改善など政策の提言
- 国際文化交流活動のネットワーキング化
- 広報活動の充実
- 具体的な国際文化交流活動への取り組み
現行プロジェクトの取扱い
当初定めた終了時期を迎えた段階で終了。ただし、継続に近い提案があらためて出された場合には、
- 99年6月を目途に策定する「プロジェクト選考基準」に合致すること、
- 参加企業・現地日本人商工会議所等がこれまで以上に主体的に取り組むこと、
を前提に、是非を検討。
新規プロジェクトへの取り組み
前記選考基準に沿った新規プロジェクトに取り組む。加えて、短期的あるいは単発的なプログラム、アジアにおける新たな国を対象とするプロジェクト・プログラムについても検討する。
国際文化交流に対するニーズの把握
- 文化交流のあり方に関する集中討議(本年度内に実施の予定)、
- 在外委員会議、
- 海外ミッション・二国間会議の活用、
を通じてニーズの把握に努める。
以 上
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