経団連くりっぷ No.86 (1998年9月24日)

日本イラン経済委員会(委員長 相川賢太郎氏)/9月14日

イランとの経済交流拡大に向けた施策を要望


日本イラン経済委員会は、設立以来、日本イラン間の貿易・投資拡大のための活動を行なってきた。本年7月には、相川委員長を団長とするミッションをテヘランに派遣し、今後の両国間経済交流拡大の方途につきハタミ政権を支える主要経済閣僚と懇談した。現地における懇談および帰国後のフォローアップ活動の中で、対イラン中長期貿易保険や輸銀融資の実施が必要不可欠であるとの観点に立ち、8月25日に開催した委員会会合において要望書を取りまとめた。なお、下記要望書は9月14日の会長・副会長会議に報告後、発表された。以下は要望書の全文である。


「対イラン中長期貿易保険・輸銀融資の実施を求む」

1998年9月14日
経団連日本イラン経済委員会

イラン・イスラム共和国は、わが国石油需要の約10%を供給しており、日本にとってエネルギーの安定的確保という観点から極めて重要な貿易相手国であります。またイランは中央アジア諸国との関係を深めつつあり、同国の政治的・経済的安定ならびに国際社会との協調体制の維持は、中東のみならず近隣の中央アジア地域全体の安定を図る上で極めて肝要であります。

イランのかかる重要性に鑑み、経団連では、日本イラン経済委員会を設置し、長年にわたりイランとの経済交流の拡大に努力してまいりました。昨年8月のハタミ大統領就任に伴い、イランを巡る国際環境が大きく好転しつつある機をとらえ、先般、訪イラン経済ミッションを派遣し、ハビビ第1副大統領はじめハタミ政権の主要閣僚と交流拡大の方途につき意見交換を図ってきたところであります。

イラン政府首脳は、わが国企業の貿易・投資の拡大を要望するとともに、円借款供与に強い期待を表明しておりました。私どもは、イランの政治・経済・社会が民主化に向けて大きく変化しつつあることを実感するとともに、ハタミ政権の改革努力を支援していく必要があるとの認識を共有いたしました。

既に欧州諸国の中には保険および政府系金融機関による長期融資開始の動きもあり、わが国としてもイランの要請に応え、さらなる経済交流の拡大を図るための当面の方策として、私どもは、わが国政府に対し、イラン向けの中長期貿易保険ならびに日本輸出入銀行融資の速やかなる実施を求めるものであります。

また近い将来において、イラン政府がかねてより要請している円借款の実施方を切に望むものであります。

以  上


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