経団連くりっぷ No.88 (1998年10月22日)

今井会長の一言


10月2日(金)
カイ・ベトナム首相との懇談

「小渕総理の親書をお渡しする。11月のAPEC首脳会議、12月のASEAN首脳会議でお会いしたいということである。総理は、日本経済の再生に全力を尽くしている。金融の問題が片付けば、後は実体経済をどうするかである。7兆円の減税と10兆円の補正予算という過去最大規模の経済対策が用意されている。世界経済がおかしくなってきている状況のなかで、日本経済を立て直すことが最も重要である。日本・ベトナムの関係は、未来志向で緊密度が増してきており、経団連としても両国関係の発展に努めたい。」

10月5日(月)
チュアン・タイ首相との懇談

「日本経済は、今が底である。バブル崩壊後の資産デフレの影響が大きい。金融機関の不良債権処理に関連した公的資金の導入、補正予算による7兆円の減税と10兆円の公共投資が実行されようとしており、それが実現すれば景気は徐々によくなるであろう。日本の景気が良くならなければアジアの輸出も増えない。新宮沢構想は、アジア諸国の金融支援に役立つと思う。現地進出の日本企業は、できるだけ撤退せずに頑張っている。外資規制の緩和など引き続き投資環境の整備をお願いしたい。」

10月7日(水)
エストラダ・フィリピン大統領との懇談

「日本としては、アジアの繁栄は、日本の繁栄になるとの認識で対応する必要がある。日本企業は、フィリピンを重視し、これまで貿易・投資関係を築いてきた。フィリピンの魅力は法律が整備されていること、優秀な人材が多いことなどである。日本の経済状況が厳しくて、投資は横ばい状態にあるが、日本の景気が回復すれば投資が増えると信じている。」

10月12日(月)
会長副会長会議後の記者会見

「ベトナム、フィリピン、タイの3カ国を訪問したが、各国の政府首脳から、日本の援助、日本企業の現地投資に対して深く感謝された。一方、アジア経済の回復のために、日本経済を一刻も早く立ち直らせてほしいと強く要望された。日本企業は、一旦進出すると現地に根をはって簡単には撤退せず、雇用の確保に貢献している。こうした点は、高く評価された。」

10月13日(火)
金融早期健全化法案衆議院通過に関するコメント

「金融早期健全化法案の成立の目処がたったが、金融システム不安を一日も早く払拭するためには、大規模な公的資本注入を一括して実施する仕組みを考える必要がある。さらに、政府は、緊急経済対策を早急にとりまとめ、速やかに実現してもらいたい。」


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