経団連くりっぷ No.89 (1998年11月12日)

アブドラ・サウジアラビア皇太子殿下歓迎昼食会(経済6団体共催)/10月22日

経済多角化のために対サウジ投資の一層の促進を


サウジアラビアは、世界最大の原油埋蔵量を誇り、21世紀においても、唯一石油の輸出余力を有する国であると言われており、1973年のオイルショック以来、毎年、わが国石油需要の20%〜25%を輸出する一方、わが国で生産される消費財・資本財を大量に輸入してきた重要な貿易相手国である。
このたび同国のアブドラ皇太子殿下がわが国の公賓として来日した。そこで、経団連、日商、日経連、経済同友会、日本貿易会、日本サウジアラビア協会が共催で同皇太子殿下歓迎の昼食会を開催した。以下は同昼食会におけるアブドラ皇太子殿下の発言内容である。


アブドラ皇太子
  1. サウジアラビアの経済発展に多大なる貢献を行なってきた日本の経済界の各位に対し、サウジアラビア国民を代表して、感謝申し上げる。日本とサウジアラビアは、緊密な外交関係に裏打ちされた良好なものである。各位の貢献があるからこそ、今後の両国関係が良好かつ緊密に進展すると確信できる。幸いにも、日サ両国政府には、両国間の友好関係の現状と今後促進していくべき課題についての共通認識がある。

  2. 現在のようにグローバル化が進む時代において、両国が時代の変化にどのように立ち向かっていくか。そのためにどのような協力が可能で必要か。時代の先を読み、これらを理解していくためには、相互に正しい道徳理念を共有していくことが必要である。

  3. 日本とサウジアラビアは、戦略同盟的な関係にあるが、この関係は、今後、急速に深めていく必要がある。昨日両国政府間で貿易投資、人材育成(教育・職業訓練)、環境、医療・科学技術、文化・スポーツの5つの分野における協力を促進する旨、日サ協力アジェンダ報告書の合意に達した。今後は、これら合意内容を積極的に進めていくが、とくに製造業投資の受入れに関心があり、日本の経済界にも協力してもらいたい。

  4. サウジアラビアとしては、メッカとメディナ2大聖地の守護者であるところのファハド国王の強力な指導の下、日本を経済的なパートナーとしてだけでなく、多方面にわたる協力を進めるパートナーであると考えている。日本側の提供してくれる技術や製造業投資は、相互に真の利益をもたらすものであると確信している。

  5. 最後に、日本の経済界の各位に、これまで両国の経済関係の緊密化に協力・貢献してきてくれたことに対し、改めて感謝の意を表明したい。


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