第22回日本メキシコ経済協議会第2回代表団打合せ会・結団式(団長 川本信彦氏)/11月12日
11月16日に東京で開催予定の第22回日本メキシコ経済協議会に向け、第2回代表団打合せ会および結団式を開催した。当日は打合せに先立ち、寺田前駐メキシコ大使ならびにウリーベ駐日大使より最近のメキシコの政治・経済情勢および日墨関係につき説明を聞いた。寺田大使は日墨両国の新たなパートナーシップ関係構築の重要性を強調し、ウリーベ大使は経済危機の再発防止に向けた努力がなされていることを説明した。
97年7月の下院選で与党制度的革命党(PRI)が過半数を割り、PRIの一党支配体制が崩壊したと論じられた。しかし、98年に実施された各州の知事選ではPRIが善戦しており、必ずしもそうとは言い切れない。2000年の次期大統領選をめぐり、与野党間の激戦が予想されるが、各党とも北米自由貿易協定(NAFTA)体制の維持等について共通の政策を掲げている。
国際石油市況の悪化、経済成長に伴う経常収支赤字の増大、米国経済の強い影響、不良債権問題、高金利などの不安要因はあるものの、経済のファンダメンタルズは中南米諸国のなかでも最も良好であり、94年末のような経済危機の再来は考えられない。
2001年のマキラドーラ制度変更についてはメキシコ政府との話し合いの結果、ソフトランディングが可能な見通しとなった。
日本政府としては、メキシコを中南米の基軸国のひとつに位置づけ、今月の日墨首脳会談を契機に、人的交流、文化協力、南南協力など21世紀に向けた新しいパートナーシップを築いていきたいと考えている。また、先日メキシコで開催したセミナーで日本側参加者から提案のあった日墨自由貿易協定の締結について、ぜひ経団連でも検討してほしい。
メキシコでは従来、政権交替時に経済危機が発生する傾向があったが、2000年の政権交替時に、こうした危機が再発することのないようさまざまな努力をしている。特に、石油輸出への依存度の低下、歳出削減などの努力が功を奏し、98年は4.5%、99年は4%程度の経済成長を達成できる見通しである。
NAFTAの順調な発展がメキシコ経済の安定化に貢献している。近くEUとの間でも自由貿易協定交渉を開始する。実現すれば、日本企業にとってメキシコはこれまで以上に魅力的な生産拠点となろう。
マキラドーラ問題については第22回日本メキシコ経済協議会の場でブランコ商工大臣が説明する予定である。日墨間の学生交流、技術交流の振興を図っていきたい。