経団連くりっぷ No.93 (1999年1月14日)

来賓挨拶

供給サイドの構造改革とフロンティア拡大を推進

通商産業大臣 与謝野 馨


与謝野 通商産業大臣

通産省は、第1に、供給サイドの構造改革を進めなくてはならないと考えている。企業が選択と集中を図れるような環境整備、具体的には持株会社、分社化を推進していく。このために、連結納税制度を2001年に必ず導入するという決意のもとに取り組むとともに、商法上の手続きの簡素化等を実現していく。また参入規制の撤廃、ホワイトカラーに重点を置いた能力開発、セーフティーネットの強化を考えていかなくてはならない。

第2に、フロンティアを拡大する政策をとっていきたい。ベンチャーへの支援や、バイオなどの研究開発投資を盛んにするなど、重点的な投資を行ないたい。また、規制緩和を実現したい。特に物流、運輸、エネルギー、医療、通信分野等の規制緩和は、日本経済を再活性化するための必須の条件であると考えている。小渕総理が提唱されている「生活空間倍増計画」は、有効需要を増やすと同時に国民の生活の質を向上させるという観点から、強力に推進していきたい。

通商政策の最重要課題は、アジア諸国への支援である。通産省としては、特別の円借款、政策金融、貿易保険、技術協力など、あらゆる政策手段をとってアジア諸国への支援を拡大していきたい。また、99年にWTOにおいて始まる新たな自由化交渉も、日本の将来にとって大変重要な問題であり、成功させたい。


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