来賓挨拶
98年には、アジア通貨金融危機が世界経済の問題にまで発展した。わが国はアジア諸国に大規模な支援を実施してきたが、引き続き支援したい。
支援を実施している経験から、危機の予防、被支援国に課すべきコンディショナリティーのあり方、その作成のプロセスにおける国毎の事情の反映方法等についてさらなる改善が必要だと痛感している。また、ユーロが加わった国際通貨・金融システムが、国際経済全体の安定に資するものとなるよう、欧州との協力を一層強化していきたい。
わが国が決定したコメの関税化は、次期WTO交渉を推進していく上でも有意義である。貿易・投資の一層の自由化に向け、引続き主導的役割を果たしていきたい。
98年8月の北朝鮮のミサイル発射に対して、わが国は毅然とした厳しい対応をとった。北朝鮮の秘密核施設疑惑問題や、ミサイルの開発・輸出の停止については、米韓両国と連携しつつ、粘り強く対応していく。
また、98年に核実験を行なったインド・パキスタン両国と粘り強く対話を進めるとともに、核兵器保有国による核軍縮の推進を求めていく。
現在、わが国経済は困難を抱えているが、経済の再建に尽力しつつも、内向きにならず、冷戦終了後の安定的な国際秩序づくりに貢献していくことこそ、わが国が進むべき道だと考える。