産業競争力強化をめぐる与謝野通商産業大臣との懇談会/1月18日
政府は、昨年11月の緊急経済対策において、本年1月中に、新事業の創出による良質な雇用の確保と生産性向上のための投資拡大に重点を置いて「産業再生計画」を策定する方針を打ち出した。そこで同計画に経済界の意向の反映を図り、官民の連携協力体制を強化するため、今井会長をはじめ、副会長、関係委員長が、与謝野通商産業大臣他同省幹部と懇談した。席上、経団連側から、産業競争力の強化に向け、官民の意見交換の場として「産業競争力会議」(仮称)の設置を求めた。以下は、懇談会の概要である。
わが国経済は、未曾有の難局に直面しており、その再生が喫緊の課題となっている。また今後、世界的な大競争や少子・高齢化等、国内外環境の厳しさも増していくため、わが国としては、景気対策等の需要面の施策に加え、供給面から経済の活力を高める施策を講じていく必要がある。そこで、中長期的にわが国の潜在成長力を高めていくという観点から、21世紀のリーディング産業を意識しつつ、産業の競争力強化と生産性向上に取り組む必要がある。
昨年来、政府は需給ギャップを埋めるために、財政支出や金融システム安定策等、需要面の対策として緊急的な措置を講じてきた。今後は、供給側の改革について官民で意見交換しつつ、双方向的に実行に移すことが必要である。現在、産業再生計画の策定作業を進めているが、本計画のメインテーマは生産性の上昇を通じた競争力強化となってくる。
官民が協力し、それぞれの役割分担の下で、産業競争力強化に取り組み、長期的にわが国経済が再活性化する道筋を付けるという観点から、官民の関係者が幅広く協議を行なう場を設ける必要がある。
80年代の米国の経験に学び、わが国でも、重点分野を絞り込み、政策資源を集中投入し、産業技術を梃子にして、21世紀のリーディング産業を育成すべきである。そのような観点から、官民からなる会議で産業技術の育成・振興も議論すべきである。
今後、わが国の産業競争力を考える上では、日本の強みである製造業と、将来が期待される情報産業とを、いかに組み合わせていくかが重要となる。同時にベンチャーの創出のためには、国として明確な目標を持つことが有効な対策となりうる。
上記に加え、経団連側より、産業競争力強化のためには、