輸送委員会 企画部会(部会長 近藤 晃氏)/1月25日
輸送委員会における物流効率化策の検討の一環として、NHK解説委員の横島庄治氏を招き、道路整備の問題点と財源について聞くとともに、意見交換を行なった。
平成10年度を初年度とする新道路整備五箇年計画では、国費20兆円、地方費40兆円、財投13兆円の規模が見込まれ、このうち特定財源は国、地方あわせ32兆円が見込まれている。そろそろ道路特定財源の用途を拡大すべきとする意見もあるが、用途の拡大には国民のコンセンサスを得る必要があろう。今後の課題として、幅広く財源を得ることで現在の道路特定財源を拡大し、他の交通モードの整備にも利用できる総合交通特定財源とするという発想はありえよう。
陸、海、空の各輸送体系の結節性、互換性を改善し、さらにユーザーが輸送コストに応じて速さを選択できる適速性を確保していく必要がある。その意味で、合理的な形で乗り継ぎを図りながら多様な方法で輸送していくマルチモーダルモビリティの展開が望まれる。
米国で導入された道路整備に係わるパブリックインボルブメント制度にならい、わが国でも道路行政に対し広く国民の声が聞かれている。渋滞解消、暮らしの観点からの道路整備、交通安全が国民の3大要求であり、これら要求をどう解消していくかが、道路行政の課題といえよう。
渋滞解消等を図るべく、世界的にみてトランスポートデマンドマネジメント(TDM)の多様な手法がとられつつある。わが国においてもTDMの考え方がさらに取り入れられないか、都市内物流システムを再点検していくべきである。
ETC(自動料金収受システム)をはじめとするITS(インテリジェントトランスポートシステム)は渋滞解消等、大きな効果が期待できる。わが国においても着実な推進を図るべきである。