経団連くりっぷ No.97 (1999年3月11日)

今井会長の一言


2月18日(木)
評議員会議長副議長会議

「大規模な経済対策が打ち出され、短期金利の低め誘導が行なわれるなど、財政金融面では思い切った手段が講じられているが、景気の現状は、非常に厳しい。しかし、いつまでも財政だけに頼るわけにはいかない。年初来経験したように金利高、円高、株安を招く恐れがある。」

2月22日(月)
各紙論説・解説委員との懇談会

「企業の持ち合い株の解消による株式の需給関係の悪化を防ぎ、企業年金の積み立て不足問題を解決するために、企業の保有株式を年金に拠出できるよう要望している。現在、法人税の対象となる企業収益は、40兆円だが、年金の積み立て不足は60兆円もあるといわれている。10年で解消するにしても年間6兆円となり、大変な負担になる。是非、株式の年金への拠出を認めてもらいたい。」

2月25日(木)
定例記者会見

「景気は、部分的には明るい兆しも出てきているが、基調としては依然厳しい。公的資金の注入などにより金融機関は、総額10兆円の資本増強が可能となり、今後、これに見合う不良債権の処理が行なわれることになる。これにより借り手企業の過剰設備、不良資産の処理も迫られることになるので、上期は設備投資および雇用に悪い影響が出るかもしれない。しかし、避けては通れない道であり、政府にはセーフティネットの整備をお願いしている。」

2月25日(木)
新入会員代表者との懇談会

「経済活動は、個人なり企業が責任を持って行なうものであるが、個々の企業ではどうにもならない問題もある。例えば、規制の撤廃・緩和、税制改正など経済界全体の問題について、経団連は、あるべき姿を提示し、政府にその実現を訴える。法人税については、約40%に引き下げられることになるが、これの減税効果は2兆数千億円になる。」


くりっぷ No.97 目次日本語のホームページ