経団連くりっぷ No.97 (1999年3月11日)

1%クラブ世話人会(会長 若原泰之氏)/2月23日

今後の社会貢献活動のあり方について懇談


1%クラブの意思決定機関である「世話人会」では、社会貢献活動の今後のあり方、1%クラブの今後の進め方について意見交換を行なった。小林陽太郎世話人、岡田卓也世話人、椎名武雄世話人の問題提起をはじめ、世話人による積極的な議論が行なわれた。

  1. 今井敬 世話人(経団連会長)挨拶
  2. 私は経団連会長に就任以来、「自立・自助・自己責任」を訴えてきた。福祉など、従来は公共部門が担当していた分野にも企業が参画し、社会貢献活動としても積極的に取り組む必要があると考えている。
    また、国民1人ひとりが公共サービスの主体となるという意味で、NPOは「自立・自助・自己責任」による社会運営にとって極めて重要な存在となろう。

  3. 小林陽太郎 世話人
  4. 企業と社会の関係について、企業や経営者が基本的にどのようなことを考えているのかをより積極的に発信していく必要がある。社会貢献活動の前提として企業の利益創出は不可欠であるが、社会貢献支出は利益還元というより、企業のコストとして捉えていくべきだ。また、社員個々人が社会との関連を実感するのも大切な要素だと考える。

  5. 岡田卓也 世話人
  6. 寄付金税制の問題、特定公益増進法人のあり方について深く検討し、今後とも積極的にその改善に取り組んではどうか。
    また、当社では社会貢献活動について必ず公開するようにしているが、少なくとも上場企業については、営業報告書に社会貢献活動への取組みを盛り込むような形になってほしい。

  7. 椎名武雄 世話人
  8. 深刻な不況だといわれる中でも、さまざまなデータを見ると、企業も社員も社会貢献活動への意欲を減らしていないことが伺える。工夫した活動も増えてきているようだ。社会貢献推進委員会でも、実践面での広がりを支える方策や、NPO法施行後の税制の問題などについて、社会貢献担当者懇談会を中心に検討する。

  9. その他
  10. 税制や社会貢献活動の広報・啓発に関する意見の他、「社員のボランティア活動の推進については、地域ごとの連携も重要であり、地方自治体や地域のNPOと連携した取り組みを検討すべきである」(高橋達直世話人)、「寄付については、各種財団や中央共同募金会など、既存の機関の役割も含め、総合的なシステムから検討すべきである」(梅本純生世話人)、「地域に企業とNPOをつなぐ組織が生まれつつあるが、将来的には、1%クラブも地域の拠点などと連携を図るなどして、全国的な活動を視野に入れるべきだ」(立石信雄世話人)などの意見があった。


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