経団連くりっぷ No.104 (1999年6月24日)

産業競争力強化のためのインフラ整備

経済社会インフラの重点的・効率的な整備が必要


インフラ整備が議題の1つとなった第4回産業競争力会議(6月3日開催)では、経団連の濱中輸送委員長より、21世紀に向けて真に必要な経済社会インフラ、なかでも産業競争力強化に直結する交通・物流インフラを重点的かつ効率的に整備すべきことを訴えた。とりわけ、円滑な交通・物流を阻害しているボトルネックの解消が急務である。例えば、東京23区における混雑時の車両走行速度は時速19kmで全国平均の約半分に過ぎないなど、首都圏の渋滞問題は深刻である。首都高都心環状線の通行量の6割を通過交通が占めるため、その解消に当たっては、都心に流入する車両の分散を図る環状道路を整備することが効果的である。東京圏の環状道路の整備状況は、欧州諸国の首都と比べて著しく立ち遅れており、当面の整備目標である圏央道、外かん、中央環状の3つの環状道路の部分完成を早期に目指すべきである。


混雑時の走行速度の比較

−混雑時の走行速度はマラソンランナーなみ−
混雑時の走行速度の比較

首都圏3環状9放射の整備状況

−放射道路の整備率9割に対し、環状道路の整備率はわずか2割にすぎない−
首都圏3環状9放射の整備状況
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