クレスティル オーストリア共和国大統領歓迎昼食会(経済5団体共催)/6月2日
経団連はじめ経済5団体は、国賓として来日したオーストリア共和国クレスティル大統領を歓迎し、昼食会を開催した。また、経団連では、翌3日に同大統領とともに来日したガートラー・オーストリア連邦産業院副総裁はじめ経済人との懇談会を開催した。以下は昼食会におけるクレスティル大統領の挨拶要旨である。
オーストリアは欧州の中心に位置し、歴史的に西ヨーロッパと旧東欧圏諸国との中継の要所としての役割を果してきた。EU加盟後は、欧州市場に対する依存度を高めるとともに、経済・政治的絆を強めてきた。また、本年1月の通貨統合第一陣への参加を果した結果、市場域内の企業間取引きが一層簡素化され、企業同士の関係強化が行なわれてきている。
今後、欧州委員会のアジェンダ2000に基づく「拡大」路線により隣接する旧東欧および中欧諸国の成長市場が新たなビジネス・チャンスを提供することとなり、オーストリアはその魅力を倍加してきている。
オーストリアの貿易相手国として、日本はヨーロッパ諸国を除くと第2位、アジアでは最大である。オーストリア連邦産業院が推進してきた輸出促進プログラム「サクセスフル・イン・ジャパン」およびEUのプログラム「ゲートウェイ・ツー・ジャパン」の効果もあり、1994年から97年の間に対日輸出は約40%増加した。97年以降日本の景気後退から減少基調になっており、早期に国内経済が再生され、再び対日輸出が増加することが望まれる。
経済関係とは対照的に、両国間の旅行部門ではオーストリアが大変喜ばしい成果を得ている。日本からのヨーロッパ旅行の目的地では首都ウィーンが第4位に入っている。人と物の移動は二国間関係、特に経済交流の分野にとって重要であり、日墺間の直行定期便の増設が望まれる。
また、日墺修好130周年を機に、日墺経済が文化・芸術関係に匹敵するほどに発展することを期待している。