経団連くりっぷ No.105 (1999年7月8日)

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シンガポール日本語選択高校生に企業見学/体験入学の場を提供


シンガポールは一連のアジア経済危機に対しても小規模な打撃にとどまり、たくましく経済発展を続けている。経団連はシンガポールとの友好親善を図るため、国際文化交流活動の一環として、1992年からシンガポールの名門ラッフルズ・ジュニア・カレッジで日本語を選考している高校生に対して奨学金を供与するとともに、夏休み期間を利用して高校1年生を対象に日本に招聘している。

8回目を迎えた今年は、6月8日に歓迎パーティーを行なった後、6名の生徒が6つの高校に別れて日本の普通の高校生と同じ生活を1週間実体験した。生徒達は中学1年から学んでいる日本語の能力を会話だけでなく、読み書きといった面においてもいかんなく発揮し、ホストファミリーや日本の生徒/先生と親交を深めた。単なる語学能力向上に留まらず、日本の経済活動についても理解を深めるため、企業見学も行なわれた。

このプロジェクトは、日本企業20社(参加企業懇談会座長:齋藤岩谷産業会長)によって実行されている。今回は、東芝テック川崎柳町工場、フジテレビ放送センター、トヨタ自動車豊田市堤工場、オムロン京都太陽の家といった参加企業の職場に生徒達が訪れたが、企業との接点を設けるため、来日日程に盛り込まれた交流イベントには、上記の企業関係者に加えて、日本精工、フジクラ、ニチメン、高砂熱学工業、三洋電機の各社から多くのボランティアが参加した。

6月18日、経団連会館において歓送パーティーが行なわれ、生徒達は「ホームステイの家族をはじめ、全ての人々が優しかった。将来は日本の大学に留学してみたい」との思いを熱く語っていた。彼らは卒業後、日本語の能力を生かして、日本の大学に留学したり日系企業に就職し活躍することが期待されている。これまでの参加企業の努力の積み重ねが、若い高校生の成長とともに、両国の親善友好に花開く事を心から願いたい。

歓迎パーティーにてシンガポール高校生(6名)と
佐藤シンガポール・プロジェクト参加企業懇談会座長代理(前列中央)ほか

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