1999年度日本コロンビア経済委員会 総会(委員長 槙原 稔氏)/6月30日
日本コロンビア経済委員会では99年度総会を開催し、98年度事業報告・決算、99年度事業計画・予算を審議、承認した。当日は審議に先立ち、外務省中南米局の山田彰中南米第二課長より、最近の日本・コロンビア関係およびコロンビアの政治・経済情勢について説明をきくとともに懇談した。
1999年は、5月のパストラーナ大統領の来日、7月の第4回日本コロンビア経済委員会合同会議のボゴタでの開催、日本人移住70周年と、日本とコロンビアの二国間関係の緊密化にとって重要な年である。
パストラーナ大統領の訪日のテーマは、
コロンビアは、中南米で最もゲリラが活発な国であり、経済発展の大きな障害となっている。パストラーナ大統領は、最大の左翼ゲリラ・グループであるFARCと、7月7日に正式に交渉を開始する等、積極的に和平問題に取り組んでいる。また、プラン・コロンビアという和平投資基金により貧困を撲滅することで、和平の根本的解決を図ろうとしているが、交渉プロセスの長期化が予想される。
他方で、第2のゲリラ・グループであるELNによる事件の頻発等、大都市を除き、コロンビア全体の治安情勢は改善していない。
コロンビア経済は大変厳しい状況にある。石油およびコーヒー価格の低迷を大きな要因として、98年の成長率は0.6%、99年の第一四半期の成長率は−4.8%となった。さらに、高い失業率、製造業及び建設業の業績悪化、銀行の不良債権等の問題がある。このような状況下で、コロンビア・ペソ建国債の格付けは、一段階下がる方向で検討が進められている。為替は、コロンビア経済の先行き懸念から、6月に入ってペソ安が急速に進行し、6月27日に中央銀行は、為替バンドの中央値を9%切下げた。
今後の対コロンビア経済協力の柱は、太平洋アクセス構想の推進及び麻薬代替作物奨励であり、可能な限り協力していきたい。
また、5月13日には、公益事業会社であるメデジン市公社(APN)によるガス配管及び電力配給プロジェクトに対して、1億6,950万ドルの輸銀アンタイド・ローンが調印された。