経済政策委員会・統計制度委員会合同会議/7月28日
経済政策委員会(委員長 櫻井孝頴氏)・統計制度委員会(委員長 井口武雄氏)では合同会議を開催し、堺屋経済企画庁長官から、今後の経済運営と景気動向の把握体制につき説明をきくとともに、懇談した。
政府の景気対策
日本経済は、企業セクターにおける業績悪化と貸し渋り、家計セクターにおける所得減と個人消費の減少の2つの悪循環を抱えている。小渕内閣は、これを断つため、
景気の認識
景気情勢は、やや改善が見られるが、依然として厳しく、横ばいを続けており、底入れしたとは言えない。午前4時から4時半頃のやや明るくなってきた頃に相当する。ただし、夜が明けると大雨だったという状況を防ぐには、企業や社会における構造改革が不可欠である。
社会構造の改革
社会構造の改革の課題としては、
リスク・テイクの必要性
日本経済が引き続き先進国の一員であり続けるには、起業を促進しなければならない。これには、個人や企業が積極的にリスク・テイクする必要があり、税制等においても、リスクに挑戦した成功者を優遇する仕組みを整備していく必要がある。
統計調査の改善
景気動向の早期把握に努めており、国民所得統計の発表早期化に取り組んでいる。また、景気の実態を的確に把握するため、特に消費関連統計の拡充を検討している。
当会側出席者からの「雇用対策が重要である」「景気対策として補正予算を組む必要があるのではないか」等の意見に対し、堺屋長官から「雇用対策の見直しに加え、労働者自身がエンプロイヤビリティを高めること、新しい職種の創造などが重要である」「補正予算の必要性、規模等については、4〜6月期の国民所得統計を見てから判断したい」との回答があった。