日本メキシコ経済委員会(委員長 川本信彦氏)/7月21日
来日したメキシコのブランコ商工振興大臣ならびにゴンサレス・サダ メキシコ日本経済委員長を迎え、日墨経済関係の緊密化に向けた最近の動きなどをめぐり懇談した。ブランコ大臣は、経済危機回避のためにメキシコがとっている種々の戦略や、マキラドーラの二重課税防止に向けた取組みについて説明するとともに、日墨政府間で今秋予備交渉が開始される予定の二国間投資保護協定について、早ければ来年第1四半期にも妥結する可能性を示唆した。
これまでメキシコの政権交替時に起こった経済危機を再び発生させることのないよう、以下のような戦略を実施している。
財政政策: | 1998、99年に引き続き、2000年についても財政赤字をGDP比1%以内に収めるべく予算を組んでいる。 |
金融政策: | 中央銀行がインフレ抑制に全力を上げており、99年は目標の13%を達成可能と見られる。 |
対外債務: | 一時期に多額の支払いが発生しないよう、債務のリファイナンスを行なっている。 |
2000年末のマキラドーラの保税制度廃止に伴う部品輸入関税の問題は、電気電子機器部品についてはほぼ解決したが、自動車部品についても99年末までに解決策を公表する予定である。
現在、大蔵省が日系マキラ協会、米国財務省との間で、マキラドーラ企業に対する二重課税の防止に向け協議している。二重課税防止が確実になるまでは、現行の所得税制度を変更することはない。
経団連が日墨間の投資・貿易関係強化に向けた報告書を公表したことを高く評価している。日墨自由貿易協定については、メキシコ政府・産業界でもそれぞれ検討を進めている。政府間では7月15、16日に第1回高級事務レベル経済協議を開催し、建設的な議論を行なった。
自由貿易協定については、日本側のコンセンサスを得るのに時間がかかることは理解しているが、議論の進展に満足している。投資保護協定についは、今秋予備交渉を開始し、可能なら2000年第1四半期にも妥結できることを期待している。
第23回日本メキシコ経済協議会を2000年4月10、11日にメキシコシティで開催する。多数の日本企業の参加を期待する。
両国産業界は日墨自由貿易協定を全面的に支持しており、政府間でも取り上げるべきである。