経団連くりっぷ No.107 (1999年8月12日)

第4回日本コロンビア経済委員会合同会議(団長 槙原 稔氏)/7月15日

コロンビアとのビジネス関係をめぐり真摯な議論


コロンビア共和国の首都ボゴタにおいて、第4回日本コロンビア経済委員会合同会議を開催した。日本側から現地参加を含め46名、コロンビア側からレストレポ大蔵大臣、ラミレス貿易大臣、カルデナス運輸大臣ら政府要人を含む70余名が参加し、コロンビアの政治・社会・経済情勢、投資機会、日本コロンビア間のビジネス関係の促進などにつき真摯な議論が行なわれた。なお、会議前日に両国代表団がパストラーナ大統領を官邸に訪問した際、大統領は治安悪化が報じられるなかでの日本側代表団の訪問を、相互信頼の証しとして評価した。

  1. 和平・治安問題への精力的な取組み
  2. コロンビア側より、ゲリラとの和平問題や治安問題への取組みについて、和平交渉責任者や警察庁長官による詳細な説明があり、従来に増してのパストラーナ政権の精力的な取組みを印象づけた。
    警察庁長官は、これらの問題の原因である麻薬の撲滅のために、麻薬消費国の協力が必要であると強調した。

  3. コロンビアの投資機会
  4. カルデナス運輸大臣より、太平洋岸の港と首都ボゴタを結ぶ道路・鉄道を新設・補修する太平洋アクセス統合プロジェクトにつき、具体的かつ詳細な紹介がなされた。鉱山・エネルギー省からは、今後実施が予定される電力、石油、石炭、鉱山関連の民営化案件について説明があった。また、アンティオキア州の事業植林、イトゥアンゴ水力発電プロジェクト、オリノコ・メタ河プロジェクトについても、関係者によるプレゼンテーションが行なわれた。
    コロンビア側は、リスクはチャンスであるとの格言を引用して、日本からの投資拡大への期待を表明したが、日本側からは、治安リスクは投資リスクとは別であり、まず治安の確保が必須であるとの意見が相次いだ。

  5. 相互の文化の尊重がカギ
  6. コロンビア側よりトロピカル・フルーツおよび花の対日輸出拡大につき説明があった。日本側は、電力、石油化学、通信等の分野におけるビジネス経験に基づき、インフラ整備、税制などの面でコロンビア政府に求められる点を指摘した。
    両国の企業が互いに異なる文化や考え方を尊重しあうことが、協力してビジネスを成功させるカギとなるという点で、双方意見の一致を見た。

(左から)槙原日本側代表団団長、カルデナス・
コロンビア側代表団団長、鹿野駐コロンビア大使

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